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芝浦自販機株式会社IoT / M2M向けモバイル通信サービス

省スペース型券売機をネットワーク化 モバイル通信を付加価値にビジネス拡大を目指す

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(左から)KCCS ネットワーク営業統括部 NWソリューション営業課 宇佐見 典昭 / 芝浦自販機 営業統括部 営業部 主任 久保 勉氏 / 芝浦自販機 営業部 的場 充男氏 / KCCS ネットワークソリューション事業部 ネットワークソリューション課 課長 熊澤 孝一

券売機の企画・製造から販売、メンテナンスまでを一貫して手がける芝浦自販機株式会社(芝浦自販機)では、店舗の売上データを収集したいというクライアント企業のニーズを満たすため、省スペース型券売機へのモバイル通信機能の組み込みを企画。京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が提供するIoT / M2M向けモバイル通信サービス「Pilina」を採用し、安定した通信機能を持つ省スペース型券売機を開発することで、クライアント企業から高い満足を獲得している。

1.ユーザの声から券売機へのモバイル通信機能の組み込みを企画

従来は、立ち食いそば店など、限られた場所での利用が中心であった券売機。近年では人手不足の慢性化により、各種施設の入場券など飲食施設以外での利用も拡大している。芝浦自販機は、1989年から券売機事業に参入し、券売機の企画・製造から販売、メンテナンスまでを一貫して手がける券売機業界のリーディング・カンパニーである。

同社に、クレープショップ「MOMI&TOY'S」を展開する株式会社モミアンドトイ・エンターテイメント(モミアンドトイ)から、「券売機の売上データを自動収集したい」というニーズが寄せられたのは2015年春のこと。

MOMI&TOY'Sでは従来、営業終了後、各移動型店舗の責任者が券売機から売上データを紙で出力し、電話やFAXで本部へ報告していたが、この方法では現場スタッフの手間がかかる上に、本部のデータ集計にも時間を要し間違いが生じやすい。そこで、券売機のリプレース提案を行っていた芝浦自販機に相談が寄せられた。

クレープショップ

問題となったのが、通信手段の確保だった。芝浦自販機の券売機の中でも高性能モデルではネットワーク対応をしているが、ケーブルの敷設が困難な小型の店舗を対象とした省スペース型券売機は、ネットワーク対応を行っていなかった。MOMI&TOY'Sでは大半の店舗が車両販売のため、券売機は省スペース型が前提であった。

「そこで、省スペース型券売機にモバイル通信機能を組み込みこむことを考えました。そして、券売機の中に通信機器(ルータ)を設置でき、売上データを確実かつタイムリーに送信できる品質のモバイル通信サービスを探していたところ、KCCSから『Pilina』を提案いただきました」と芝浦自販機 営業統括部 営業部 主任の久保 勉氏は語る。

芝浦自販機 久保 勉氏

2.2カ月以上にわたる検証でお客様ニーズに応えるネットワーク品質を確認

券売機に組み込むルータの想定サイズは、縦20cm×横20cm×厚さ4cm以内という限られたものであったが、この点は問題なくクリアされた。KCCS ネットワーク営業統括部 NWソリューション営業課 宇佐見 典昭は、「『Pilina』は多様な機器への組み込みを想定したサービスであり、要件に合うコンパクトなルータをご提案しました。券売機の鉄製の筐体の中で、必要な電波強度が確保できるかという点が懸念されましたが、異常系試験を含め検証した結果、通信品質は問題ありませんでした」と語る。

KCCS 宇佐見 典昭

券売機

検証は2カ月以上にわたり実施された。「売上情報という重要データを扱うことからさまざまなロケーション、シチュエーションで検証を繰り返しました。多少の設定調整は必要でしたが、KCCSのサポートで問題なく通信できることが確認されました」と久保氏は振り返る。

そのほか、運用コストが低いことも最終的な採用条件となった。通信機能を組み込むことでコスト上昇は避けられないが、「Pilina」には小容量データ通信向け低価格のプランがありコスト上昇を抑えることができる。低コストで通信機能を付加できたことは大きなアドバンテージになったと言う。

2015年10月から導入が始まり、2016年4月現在では日本全国で24台が稼働。モミアンドトイでは、データの送信先となるサーバ上に独自の集計プログラムを組み、その集計結果を各担当者がそれぞれの権限に応じて活用できる仕組みを構築している。

同社への営業を担当する芝浦自販機 営業部の的場 充男氏によれば、「店舗側から特別な操作をしなくても自動的にデータが送信されます。既にお客様では券売機から得られるデータをマーケティングに活用する取り組みを進められており、この取り組みが売上向上に繋がれば大変うれしく思います」と期待をよせる。

芝浦自販機 的場 充男氏

3.モバイル通信サービスがもたらすビジネス発展の可能性

券売機のネットワーク対応が常識化しつつある中で、省スペース型券売機へもモバイル通信機能を組み込み、ケーブル敷設が難しいロケーションで安定した通信品質を実現することは長年のテーマとなっていたが、今回の「Pilina」採用によりこれらが解決された。

さらに、「今後は、例えば飲食店チェーンの本部と各店舗が、券売機を通じて店舗オペレーションにかかわる各種情報を手軽にやり取りできるようになるのではないでしょうか」と久保氏は語る。機器タイプやロケーションを問わずに、ネットワーク対応券売機を組み込んだソリューションを提案できる体制が整ったことで、同社の券売機ビジネスの可能性はますます広がるだろう。

一方、「Pilina」を提供するKCCSでは、今回の取り組みを通じて得られた知見・ノウハウを活かし、活用分野のさらなる拡大を図っていきたい考えだ。この点についてKCCS ネットワークソリューション事業部 ネットワークソリューション課 課長の熊澤 孝一は、「近年では各種センサやカメラなどが高機能化・低コスト化しています。KCCSにはSIのノウハウもあり、これらと『Pilina』を組み合わせることで、人目につかない場所で稼働しているさまざまな機器の稼働状況を把握し、異常があれば検知する仕組みが構築できるのではないでしょうか」と語る。

KCCS 熊澤 孝一

今後、このような仕組みに必要なアプリケーションの開発なども含め、多様な用途での提案を進めていく意向である。

概念図

取材時期:2016年3月
掲載日:2016年4月21日

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