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ヒビノ株式会社M2M回線

「ユニバーサル型LED防災ボード」にKCCSのワイヤレスM2M回線を採用~自然災害など緊急情報の迅速な伝達に貢献~

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(右から)京セラコミュニケーションシステム株式会社 ネットワークソリューション営業部 ネットワークソリューション営業課 課長 市川 稔 / ヒビノ株式会社 ヒビノGMC 総務事業企画本部 R&Dセンター 担当部長 鈴木 泰男氏 / 京セラコミュニケーションシステム株式会社 コミュニケーションサービス事業部 サービス部 ネットワークサービス課 三浦 慎也

コンサートやイべントなどで利用される音響システムやLEDボード。その販売やレンタルなどを行うヒビノ株式会社(ヒビノ)は、天気予報やニュース、地震・津波などの緊急情報を素早く自動表示する「ユニバーサル型LED防災ボード infoLED」(以下、LED防災ボード)を開発した。通信回線には京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)のワイヤレスM2M回線を採用。KCCSが開発したルータ自動再起動機能により、安定した通信が確保される仕組みを構築している。

1.表示ボード提供企業としての社会的使命からLED防災ボードの開発を決定

コンサートやイベントでは、さまざまな音響システムやLEDボードなどの映像機器が使われている。ヒビノは業務用音響機器の販売・システム設計、LEDディスプレイ・システムの開発・製造・販売、コンサート・イベントの音響・映像サービスまで「音と映像のプレゼンテーター」というコンセプトのもと、あらゆる分野で実績を持っている。例えば、年末恒例の歌謡番組のバックボードや国立競技場のさよならコンサートのLED大型表示ボード、渋谷ハチ公前交差点などの大型商業ビルや大手衣料品チェーンの国内外の店舗外壁、野球場の外野フェンスなどで使われるLEDボードなどの開発や販売などを手掛けている。

ヒビノ株式会社 ヒビノGMC 総務事業企画本部 R&Dセンター 担当部長 鈴木 泰男氏

「私たちのLEDディスプレイ・システムはコンサートやTV放送などで使われることが多く、色の再現性や適切な精細度を特に追求して開発しています」と語るのはヒビノ ヒビノGMC 総務事業企画本部 R&Dセンター 担当部長の鈴木 泰男氏だ。

2011年の東日本大震災直後、電力供給の問題やコマーシャルの自粛などで、ヒビノが納めたLEDディスプレイはことごとく消灯せざるを得なかった。このような状況下で、ヒビノでは経営層が「災害時にこそ、情報を広く伝えるものが必要である」と判断し、LED防災ボードを開発することにした。そこでは、表示ボード提供企業としての社会的使命を強く意識し、電力供給が途絶えても一定時間は情報提供が可能であること、聴覚障害者や色弱者の方、日本語に不慣れな外国の方などにも理解できることを基本にして、「ユニバーサル型LED防災ボード」の開発を始めた。

2.品川駅港南口にLED防災ボードの設置が決定、無線による通信が不可欠の要件に

開発にあたっては、バッテリーでも24時間程度表示し続けられる低消費電力、文字だけでなくアイコン表示が可能な精細度と色弱者の方でも判別できるフルカラー、平常時でも防災をはじめとするメッセージ表示ができることなどを要件とした。さらに、J-ALERT(全国瞬時警報システム)を装備し緊急地震速報、津波情報、防災気象情報に加え、国民保護情報については日本語・英語・中国語・韓国語を瞬時に自動表示させるとともに、リモートで表示内容の更新やメンテナンスに必要なログデータの取得、カメラ監視を行えるようにした。

ふれあい広場に設置された「ユニバーサル型LED防災ボード」

こうした機能を備えたLED防災ボード1号機は港区に納入され、品川駅港南口「ふれあい広場」に設置されることになった。そこで大きな問題になったのが通信回線だった。「当初、光回線を予定していましたが、幹線から引き込むのに公園の敷石を剥がすなどの工事が必要なことが分かり、急きょ無線に切り替え、KCCSに相談を持ち掛けました」(鈴木氏)。

3.通信用途にKCCSのワイヤレスM2M回線を採用し、ルータ自動再起動機能を実装

打ち合わせを受けて、ヒビノではKCCSのワイヤレスM2M回線の採用を決め、VPNルータの設定までの通信関連の工程をKCCSに依頼した。KCCSに決めた理由について鈴木氏は、「対応が非常に速かったこと。そしてネットワークに関する豊富な経験やノウハウを持っていたことです。私たちはネットワークに関する専門的な知識があまりなかったのですが、さまざまな場面で的確に対応していただけると判断しお願いしました」と話す。

依頼を受けたKCCSでは、ヒビノの機能要件・設置要件を検討し、最適な通信環境を目指して、最も繋がりやすくエリアも広域である3G回線と通信制御に欠かせない機能となるグローバル固定IPサービスを提供した。
「構築では、セキュリティや利用の仕方も考慮に入れながら作業を進めました。設置場所には普段は人が行かず、コントロールボックスも開けないので、ルータに万一トラブルが起きても、自動復旧できるように念には念を入れてチューニングをしました」と語るのはKCCS ネットワークソリューション営業部 ネットワークソリューション営業課 課長 市川 稔だ。

ネットワークソリューション営業部 ネットワークソリューション営業課 課長 市川 稔

ヒビノでは、製品完成後に自社で2週間、実運用状態でランニングテストを行った。テストの中で電圧が低下した非常に劣悪な環境を作って動作させたところ、通信が途切れたままになってしまうことがあった。「再接続には、ルータの再起動が必要です。そこで、一定期間接続を認識できなかった場合、自動的に再接続するプログラムを作り込み、システムに加えました。これにより、万が一トラブルが起きても安心してお使いいただけるようにしました」と説明するのはKCCS サービス部 ネットワークサービス課 三浦 慎也だ。

サービス部 ネットワークサービス課 三浦 慎也

4.ほかの自治体や公共性の高い場所への設置を目指す

2014年5月、港区や警察、消防などの関係者が出席して点灯式が行われ、LED防災ボードの品川駅港南口ふれあい広場での運用が始まった。ヒビノでは今後、港区と連携しながら、運用の中で出てくる課題を明らかにして、LED防災ボードを改善し、次の展開につなげていく予定だ。

「振り返ってみると、一番大変だったのはランニングテストでトラブルが発生した時でした。何とかならないかとKCCSに相談したところ、KCCSがプログラムを開発してくれることになりました。プログラム完成後、再度テストを行ったのですが、自動的に再起動し正常に接続されたのを見て、これで安心だと胸をなで下ろしました」(鈴木氏)。

ヒビノでは今後、LED防災ボードの採用を他の自治体に働きかけるとともに、避難所に指定されている施設やパブリックスペース、公共性の高い遊園地や娯楽施設、騒音で声が聞き取りにくい駅周辺など、さまざまな場所への納入を目指していく考えだ。

KCCSでは、今後も信頼性・安定性の高いサービスを提供し、M2Mビジネスの支援を行っていく。

取材時期:2014年6月
掲載日:2014年7月22日

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