無人自動配送ロボットによる、シェアリング型配送サービスの実現に向けて

昨今の「遠隔・非接触」での物流ニーズの増加や、配送における人手不足により、物流の効率化に対する要求が日に日に高まっています。そのような中、京セラコミュニケーションシステム(以下KCCS)では、ICT技術と情報通信基盤整備や再エネ設備導入などを通じて蓄積したインフラ構築ノウハウを融合し、地域における物流課題の解決に向けたモビリティサービスの開発に取り組んでいます。その一環として、無人自動配送ロボットによる工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を行い、新たな配送サービスの実現を目指しています。

プロジェクトメンバー

  • 経営企画部 住居 航

EPISODE.1 新たな配送サービスの実現へ

KCCSが従来から取り組む5Gを含む通信やクラウド、ソフトウェアソリューション。これらの研究開発と技術を活かそうと、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」に採択され、北海道石狩市の「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」プロジェクトが始まりました。

この無人自動配送ロボット事業は、MaaS(Mobility as a Service)×RaaS(Robot as a Service)が融合した領域でありKCCSが取り組む親和性は高いと考えています。ニューノーマル社会におけるヒト・モノ・サービスの移動に関わる課題解決と地域社会の持続的発展への貢献を目指すこのプロジェクトで、KCCSの新たな事業の柱を作り上げていきます。

EPISODE.2 無人自動配送ロボットの国内初となる公道走行

2021年、北海道石狩市の工業地域にて、無人自動配送ロボットによるロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を行いました。これまでに国内で実施された自動配送ロボットの公道走行実証では、主に小型・低速のロボットによる歩道での走行がメインでしたが、本実証では従来よりも大型・高速なロボットで車道を走行しました。実際にナンバープレートを取得し、公道走行を実施したのは国内初の事例となります。ナンバープレートの取得も国内に事例が無く、プロジェクトメンバーで手分けして運輸局、警察署への説明に奔走しました。その甲斐もあり、公道を走行することができました。

「これを足掛かりに、公道を自動走行できるロボットを活用し新たな生活スタイルや消費活動を実現するサービスを提案していきたいと考えています。自動走行ロボットは、人手不足解消や交通環境向上、オンデマンド配送による利便性向上など、多くの社会的メリットが想定されますが、これらはすべて消費者目線で『何があったら便利か?』『何ができたら嬉しいか?』という『問いの仮説』を繰り返すことで実現していくと考えています。」とロボットの選定や走行時のオペレータ・遠隔操縦を担当した住居航は話します。

EPISODE.3 新技術で人とのつながりを豊かにしていく

KCCSは、グループのシナジーや先端技術を活用して新技術の研究開発を進めています。今回のような新しい取り組みを知ってもらい、その価値を実感していただくことで、サービスの存在意義が出てくると考えています。

本プロジェクトは、2021年4月から活動をスタートし、右も左も判らない状態から始まり、今では多くのメンバーが携わる「自動走行ロボット」プロジェクトに発展しています。苦労と喜びが日替定食のように出てくる日々ですが、試行錯誤を繰り返しながら研究を進めており、日増しに成果が見えるようになってきました。

KCCSは、未来に向けて更なる挑戦を続けていきます。
「自動運転は新技術の集積でもあり、新しい市場でどのようなサービス展開が社会に受け容れられるのか、不確定要素が多く手探りで進めています。その中で、自動運転レベル3(条件付運転自動化)の走行実績を積み上げ、法整備対象としてフォーカスされるような活動に盛り上げていく必要があります。KCCSの自動運転を扱う経験や素地はまだ浅いですが、その一助となれるよう安全な運用の追究、関連技術ハンドリング能力の育成をチーム一丸となって早急に進め、自動運転レベル4(高度運転自動化)による人とのつながりを豊かにするサービスの社会実装を様々な地域、気象環境・交通環境で実現していけるよう取り組んでまいります。」

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