健康経営宣言

私たち京セラコミュニケーションシステム(KCCS)では目指す姿、ビジョンの一つとして「働く仲間が幸せになる会社」を掲げています。

私はすべての従業員が仕事を通じてやりがいや喜びを感じ、自己実現や成長につながるように働くことができれば、お客様に満足いただくことができ、会社も成長できると信じています。

そこでKCCSは、従業員の健康状態に配慮し、「心身の健康」の改善・向上を図るため、京セラグループの総合的な健康増進活動(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)をベースに、「健康経営」を実践してまいります。

そして、京セラグループの経営理念「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の実現に向け、成長し続ける企業を目指してまいります。

2021年3月29日
代表取締役社長 黒瀬 善仁

基本方針

KCCSでは「働く仲間が幸せになる会社」というビジョンの土台として、従業員が心身共に健康であることが重要だと考えています。特に平均月間総労働時間、メンタル不調による長期欠勤・休職者数、喫煙率の低減に重点を置き、これらを経営課題として捉え、課題の改善に取り組んでいます。健康経営を通じて、従業員が自らの健康課題を把握し、自分事として捉え、健康に対する意識を向上させること、またお互いの健康状態に配慮しながら働くことで、単に現時点で病気でないというだけでなく、気持ちの上でもやる気にあふれ、身体的にも生き生きと働き続けられる「働く仲間が幸せになる会社」を目指します。

KCCSが目指す「働く仲間が幸せになる会社」

KCCSは働く仲間全てにとって働きやすく働きがいのある企業を目指しています。

京セラグループ全体でも健康経営の推進に取り組んでいます。

総合的な健康増進活動(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)の取り組み (京セラ株式会社サイト)

健康経営推進体制

経営トップを健康経営推進の最高責任者とし、管理本部が中心となり、各種施策を実行する体制をとっています。各種施策は経営トップをはじめ幹部が参加する「経営委員会」で議論の上、決定され、全国拠点で施策が実行されるように各拠点総務と連携しています。KCCSの状況に応じた施策になるように健康保険組合や産業医・看護師・社員会とも連携しています。

管理本部が主体となり、健康経営推進の全体進捗管理と、運動機会増進や食生活改善、女性特有の健康課題に関する取り組み、禁煙推進活動などを行っています。

また、各職場の実態を公開し自部門の状況を他部門と比較することで、自部門の良いところ・悪いところを把握し職場の改善につなげていくことを目的に、各部署の残業時間・有休取得率・女性比率などを「職場環境スコア」として社内公開し、残業時間削減・働き方改革に取り組んでいます。

メンタルヘルスケアの推進にも積極的に取り組んでおり、全従業員を対象に、自分の心の状態を知り、ストレスのコントロール(軽減)につとめられるよう「メンタルヘルス セルフケア教育」を実施しています。さらに責任者を対象に「メンタルヘルス ラインケア教育」を実施、メンタルヘルス疾患の予防に取り組んでいます。

取り組み状況

戦略マップ

健康経営で解決したい経営上の課題、具体的な取り組み、期待する効果を整理し図で示しています。

現状と目標値一覧

基本方針に基づき、経営課題として捉えている3つの重点課題<平均月間総労働時間、メンタル不調による長期欠勤・休職者数、喫煙率の低減>の改善状況と、健康経営の推進状況を把握することを目的に、健康経営に関する18の指標を定め、目標に対する実績を開示しています。

No. 項目 実績値 目標値
(2023年度)
2020年度 2021年度 2022年度
1 定期健康診断受診率 100% 100% 100% 100%
2 定期健康診断後の精密検査受診率 100% 100% 100% 100%
3 ストレスチェック受検率 100% 100% 100% 100%
4 禁煙推進施策の状況 施策名 禁煙Eラーニング 禁煙推進ワークショップ
(禁煙セミナー含む)
禁煙Eラーニング -
参加率 85.1% 92.0% 80.9% 100%
効果・満足度 73.2% 32.5%
(受講により禁煙を開始した社員の比率)
76.1% 90%以上
5 保健指導継続率
(ハイリスク者を対象とした施策への参加率)
初回面談実施率 97.3% 95.7% 94.4% 100%
6 女性特有の健康課題に関する教育への参加状況 女性従業員対象 - 92.0% 81.0% 90%以上
管理職対象 89.0% 84.0%
全従業員対象 89.3% 80.3%
7 労働時間の状況 月間平均残業時間※1 20.1時間 27.7時間 21.8時間 10時間
8 有給取得の状況(年間) 平均取得率 80.3% 80.7% 86.1% 100%
平均日数 16日 16日 16日 20日
9 社内の状況 適正体重維持者率 65.8% 64.6% 71.7% 75%以上
喫煙率 25.0% 22.4% 17.9% 15%以下
運動習慣者比率 16.8% 18.4% 19.0% 30%以上
10 ハイリスク者の管理(治療継続)率 血圧リスク者率 6.5% 5.2% 7.0% 5.5%以下
11 従業員のヘルスリテラシーの状況
高ヘルスリテラシー層の割合
①情報収集ができる - 80.6% 81.9% 75%以上
②情報の選択ができる - 62.0% 69.5%
③情報の理解・伝達ができる - 44.4% 53.9%
④情報の信頼性の判断ができる - 39.4% 50.3%
⑤健康改善のための計画・行動決定力がある - 50.7% 53.4%
12 健康診断の結果指標 BMI25以上の割合 28.3% 29.1% 28.0% 20%以下
有所見率 49.0% 49.3% 44.1% 40%以下
13 離職の状況 平均勤続年数 11.5年 11.8年 11.7年 -
退職者数 71名 97名 111名 -
離職率 3.0% 4.1% 4.5% 3.0%以下
14 プレゼンティーイズム※2 絶対的プレゼンティーイズム平均 58.3点 73.0点 69.9点 60点以上
測定人数 2,336名 2,180名 2,097名 -
回答率 90.2% 93.2% 84.7% -
15 アブセンティーイズム※3 アブセンティーイズム平均日数 3.2日 3.2日 3.3日 3.0日以下
測定人数 2,336名 2,180名 2,097名 -
回答率 90.2% 93.2% 84.7% -
16 ワークエンゲージメント※4 ワークエンゲージメントの状況 67点 66点 66点 70点以上
測定人数 1,618名 2,011名 3,161名 -
回答率 70.8% 69.8% 79.3% -
17 ストレスチェックの集計結果 97.5点 99.2点 95.0点 97点以下
18 労働災害度数率※5 労働災害度数率 - - 0.16 0
火災事故 - - 0件 0件
  • ※1
    管理監督者、休職、他社出向は除く
  • ※2
    スコアが低いほど生産性が低下している状態を指す指標であり、WHO-HPQにて測定を行っている。SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大 1 項目版)にて測定
  • ※3
    病気による休暇取得の日数を従業員アンケートで聴取
  • ※4
    ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(wevox)にて測定
  • ※5
    2022年度より新たに目標設定

総評

KCCSはこれまでも定期健康診断の受診勧奨やストレスチェックの100%受検など、従業員の心身の健康の向上を図るための取り組みを行ってきましたが、健康経営をさらに推進するため2020年にプロジェクトチームを発足しました。

プロジェクトチームが中心となり、社内ポータル「健康経営道場」を開設して健康に関する情報発信・意見交換の場を設けたり、テレワークによる運動不足を課題と捉えて役員や従業員による体操動画を毎月配信し身体を動かす大切さを感じてもらうなど、会社全体で健康への意識づくりを行ってきました。

健康経営に対する社内の認知度も上がってきたため、プロジェクトチームは2023年に発展的に解消し、管理本部を主幹として引き続き、従業員の意識を高め、新たに定めた健康経営に関する各指標の目標値を目指して施策を検討・実行しています。今後は特に、プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの数値を改善し、重点取り組みであるワークライフバランスの適正化やメンタルヘルスケア、喫煙率低減の推進につなげたいと考えています。

主な取り組み

1. ワークライフバランス

従業員がより働きやすく活躍できる企業、成長し続ける企業を目指して、長時間労働の改善を目的とした残業時間の削減目標と、心身ともにリフレッシュできるよう有給休暇の取得目標を設定しています。
取り組みにあたっては多様な働き方を推進・支援するワークライフサポート部を中心に、ワークライフバランスの適正化に取り組んでいます。

取り組み目標 目標値(2023年度)
平均月間所定外労働時間の削減 残業時間月平均10時間以内 / 人
有給休暇取得の促進(2019年より取り組み開始) 全従業員年間20日の有給休暇取得

2. メンタルヘルスケアの推進

メンタルヘルスケア教育

全従業員を対象に、自分の心の状態を知り、ストレスのコントロール(軽減)につとめられるよう「メンタルヘルス セルフケア教育」を実施しています。さらに責任者を対象に「メンタルヘルス ラインケア教育」を実施、メンタルヘルス疾患の予防に取り組んでいます。

主な教育カリキュラム

No. 項目 目的 対象
1 支援者教育 メンタルヘルスマネジメントに取り組む意義や事例検討を通じて、良好な関係を築くコミュニケーション方法・スキルを学ぶ 事業部長、副事業部長
2 管理職への実践的なラインケア教育 一次予防に焦点を当て、メンタル不調に至ることを防ぐための「部下へのかかわり方」「マネジメントの仕方」について学ぶ チームリーダー以上
3 メンタルヘルス教育 ストレスの受け止め方などメンタルヘルスの基礎知識を学ぶ 全従業員
4 管理職への昇格時教育 ラインケアの基礎を学ぶ チームリーダー以上
5 管理職への定期的な教育 メンタルヘルス基礎リテラシーの習得 チームリーダー以上

ストレスチェックの実施

労働安全衛生法によりストレスチェックが義務化される以前の2008年より、メンタルヘルスケアの一環としてストレスチェックを実施し、メンタルヘルス疾患の予防、早期発見につとめています。(受検率100%)
2019年より、高ストレスの従業員が多い部署に対しては、必要に応じて職場環境改善を図ることを目的に集団分析を実施しています。高ストレスと診断された部署に対しては、メンバーとの個別面談を実施し、その傾向を所長、管理監督者にフィードバックし、職場改善につなげています。

3. 禁煙推進活動

働く仲間の健康を気遣うことを出発点として、従業員の健康維持・向上を目的に、喫煙率の低減に取り組んでいます。

KPI

項目

区分

実績

目標

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

喫煙率

全年齢

26.7%

25.0%

22.4%

17.9%

15.0%

40歳以上

33.0%

30.0%

28.2%

21.9%

22.0%

具体的な取り組み

喫煙者懇話会の実施 経営層を含めた喫煙者懇話会を定期的に開催し、喫煙者の意見をヒアリングしながら現実的で実効性のある禁煙推進施策を検討しています。
ワークショップの開催

禁煙に取り組む従業員向けのワークショップです。
経営層から喫煙者および非喫煙者に向けて禁煙推進の重要性を発信しており、禁煙推進施策に対する会社の姿勢を従業員へ伝える大切な場となっています。

内容
  • 禁煙体験の共有
  • 喫煙健康被害に関するセミナー
  • 禁煙外来などの社内禁煙支援制度の紹介
国内全事業場における喫煙の制限

2022年4月1日より敷地内を完全に全面禁煙としました。

  • 事業所内の喫煙所は閉鎖
  • テナントビルに入居している事業所・営業所おいては共用部にある喫煙所も利用禁止
禁煙教育の実施 2020年度 社内の喫煙者を対象に、喫煙者本人と周囲(ご家族、職場の同僚など)への健康被害について理解を深めるとともに、会社および健康保険組合からの禁煙支援制度を改めて周知徹底することを目的に「禁煙Eラーニング」とアンケートを実施しました。
喫煙者590名のうち502名が受講(受講率85%)
2021年度

喫煙者・非喫煙者を含めた全従業員を対象にしたワークショップを通じて禁煙推進施策の説明と周知徹底および医療機関による禁煙教育を実施しました。

概要
  • 経営層による全従業員(喫煙者および非喫煙者)に対する禁煙推進の重要性に関する講話
  • 敷地内全面禁煙や各種禁煙施策の周知徹底
  • 喫煙健康被害等について医療機関による教育
2022年度 2022年10月~11月の期間で、喫煙者に対して「禁煙ラーニング」を実施致しました。
喫煙者485名中418名が受講(受講率86.2%)
禁煙支援制度の構築
  • 禁煙外来、禁煙Web診療の積極的な活用を勧奨
  • 禁煙外来受診済みの希望者に禁煙補助剤の無料配布支援
  • 希望者に禁煙に役立つ書籍の配布

禁煙推進施策実施後の効果についての総評

全従業員の健康維持・向上と喫煙者の禁煙のきっかけづくりを目的に、2020年度より禁煙推進施策を提案・実行してきました。全年齢における2022年度喫煙率は17.9%となり、2019年度26.7%から約9%低減することができました。2022年度に実施した禁煙Eラーニングにおいて、禁煙に対する意識調査も同時に実施しておりますが、禁煙推進に対する会社の姿勢と禁煙により得られる健康利益についての理解が高まってきたことで、新たに100名を超える方々が禁煙を開始したという回答も得られております。2023年度は全年齢喫煙率15%・40歳以上喫煙率22%を目標としておりますが、引き続き、禁煙推進を実施してまいります。

労働安全衛生・リスクマネジメントについて

KCCSでは「安全で安心、そして心身ともに健康で活き活きと働ける職場環境づくり」を目指すため、全員参加による労働安全衛生活動を実践し、従業員の負傷および疾病の予防に取り組んでいます。
また京セラグループの一員として、京セラフィロソフィをベースに、公平、公正かつ透明性の高いコーポレート・ガバナンスおよび内部統制の実現に努めています。

労働安全衛生

労働安全マネジメントシステム ISO 45001
京セラグループでは、「ISO 45001」に基づく労働安全衛生活動を推進しています。
パーフェクト5S推進活動
京セラグループでは、完璧な5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を目指した活動を「パーフェクト5S推進活動」と称してグローバルに展開しています。

KCCSは法律を順守し、労働安全衛生に関する労使での協議の場を設けています。

  • 定期的な環境安全巡視の実施(産業医・衛生管理者による職場巡視)
  • 安全衛生委員会の実施

リスクマネジメント

KCCSのリスクマネジメントの最も重要な目的は、「リスクの顕在化」を予防することで、コンプライアンス管理など、すべての組織、全従業員によってそのために必要な管理を行っています。