京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、従業員の健康状態に配慮し「心身の健康」の改善・向上を図るため、健康経営に取り組んでいます。

各種の施策・取り組みが評価され、優良な健康経営を実践している企業・法人として、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に2年連続で認定されました。

今後も全ての従業員がいきいきと働くことができる職場づくりに取り組んでまいります。

KCCSはオリジナル体操動画の配信や社内クラブ活動、オフィスへのさまざまな健康器具の導入などの取り組みが評価され「スポーツエールカンパニー2023」に認定されました。

「スポーツエールカンパニー」は、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取り組む企業を認定するスポーツ庁の制度です。KCCSはこれからも従業員主体の運動や健康に関わる活動を積極的に支援してまいります。

健康経営宣言

私たち京セラコミュニケーションシステム(KCCS)では目指す姿、ビジョンの一つとして「働く仲間が幸せになる会社」を掲げています。

私はすべての従業員が仕事を通じてやりがいや喜びを感じ、自己実現や成長につながるように働くことができれば、お客様に満足いただくことができ、会社も成長できると信じています。

そこでKCCSは、従業員の健康状態に配慮し、「心身の健康」の改善・向上を図るため、京セラグループの総合的な健康増進活動(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)をベースに、「健康経営」を実践してまいります。

そして、京セラグループの経営理念「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」の実現に向け、成長し続ける企業を目指してまいります。

2021年3月29日
代表取締役社長 黒瀬 善仁

KCCSが目指す「働く仲間が幸せになる会社」

KCCSは働く仲間全てにとって働きやすく働きがいのある企業を目指しています。

健康経営推進体制

KCCSは健康経営を推進するにあたり、経営層をはじめ各本部推進者・拠点責任者・健康経営推進部門・安全衛生委員会から構成される健康経営委員会を組織しています。

健康経営委員会では、全従業員の「心身の健康」の改善・向上を図るために、定期的な会議を実施し、健康経営施策の進捗状況の確認、新規施策の検討を行っています。

この健康経営委員会で決定した施策に対して、健康保険組合や産業医・看護師・社員会とも連携し、全従業員が一体となって取り組んでいます。

取り組み状況

戦略マップ

健康経営で解決したい経営上の課題、具体的な取り組み、期待する効果を整理し図で示しています。

戦略マップ

現状と目標値一覧

健康経営に関する17の指標を定め、実績・目標を記載しています。

No. 項目 実績値 目標値(2023年度)
2020年度 2021年度
1 定期健康診断受診率 100%
  • 2019年度 100%
100% 100%
2 定期健康診断後の精密検査受診率 100% 100% 100%
3 ストレスチェック受検率 100%
  • 2019年度 100%
100% 100%
4 禁煙推進施策への参加率 「禁煙Eラーニング」への参加率 85.1% 「禁煙推進ワークショップ(禁煙セミナー含む)」への参加率92% 100%
5 禁煙推進施策満足度 「禁煙Eラーニング」満足度 73.2% 「禁煙推進ワークショップ(禁煙セミナー含む)」満足度32.5%(受講により禁煙を開始した社員の比率) 90%以上
6 保健指導継続率
(ハイリスク者を対象とした施策への参加率)
初回面談実施率97.3% 初回面談実施率95.7% 100%
7 労働時間の状況 月間平均残業時間:20.1時間 月間平均残業時間:27.7時間 月間平均残業時間:10時間
8 有給休暇取得の状況(年間) 有給休暇 平均取得率:80.3% 平均取得率:80.7% 平均取得率:100%
有給休暇 平均取得日数:16日 平均取得日数:16日 平均取得日数:20日
9
  • 適正体重維持者率
  • 喫煙率
  • 運動習慣者比率
  • 65.8%
  • 25.0%
  • 16.8%
  • 64.6%
  • 22.4%
  • 18.4%
  • 75%以上
  • 15%以下
  • 30%以上
10 ハイリスク者の管理(治療継続)率
  • 血圧リスク者率
6.5% 5.2% 5.5%以下
11 従業員のヘルスリテラシーの状況 高ヘルスリテラシー層の割合
  • 情報の収集ができる:80.6%
  • 情報の選択ができる:62.0%
  • 情報の理解・伝達ができる:44.4%
  • 情報の信頼性の判断ができる:39.4%
  • 健康改善のための計画・行動決定力がある:50.7%
5項目において高ヘルスリテラシー層75%以上
12 健康診断の結果指標
①BMI25以上の割合
②有所見率
  • 28.3%
  • 49.0%
  • 29.1%
  • 49.3%
  • 20%以下
  • 40%以下
13 離職の状況(平均勤続年数を含む) 平均勤続年数:11.5年
退職者数:71名
離職率:3.0%
平均勤続年数:11.8年
退職者数:97名
離職率:4.1%
離職率:3.0%以下
14 プレゼンティーイズム
(絶対的プレゼンティーイズム平均)
  • スコアが低いほど生産性が低下している状態を指す指標であり、WHO-HPQにて測定を行っている。
  • SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大 1 項目版)にて測定
58.3点 73.0点 60点以上
15 アブセンティーイズム
(アブセンティーイズム平均日数)
  • 病気による休暇取得の日数を従業員アンケートで聴取
3.2日 3.2日 3.0日以下
16 ワークエンゲージメントの状況
  • ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(wevox)にて測定
66点 66点 70点以上
17 ストレスチェックの集計結果 97.5点 99.2点 97点以下

総評

KCCSはこれまでも定期健康診断の受診勧奨やストレスチェックの100%受検など、従業員の心身の健康の向上を図るための取り組みを行ってきましたが、健康経営をさらに推進するため2020年にプロジェクトチームを発足しました。

プロジェクトチームが中心となり、社内ポータル「健康経営道場」を開設して健康に関する情報発信・意見交換の場を設けています。テレワークによる運動不足を課題と捉え、役員や従業員による体操動画を毎月、制作・配信し身体を動かす大切さを感じてもらうなど、会社全体で健康への意識づくりを行っています。

引き続き、従業員の意識を高め、新たに定めた健康経営に関する各指標の目標値を目指して施策を検討・実行していきます。今後は特に、プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの数値を改善し、重点取り組みであるワークライフバランスの適正化やメンタルヘルスケア、喫煙率低減の推進につなげたいと考えています。

主な取り組み

1. ワークライフバランス

従業員がより働きやすく活躍できる企業、成長し続ける企業を目指して、長時間労働の改善を目的とした残業時間の削減目標と、心身ともにリフレッシュできるよう有給休暇の取得目標を設定しています。
取り組みにあたっては多様な働き方を推進・支援するワークライフサポート部を中心に、ワークライフバランスの適正化に取り組んでいます。

取り組み目標 目標値(2023年度)
平均月間所定外労働時間の削減 残業時間月平均10時間以内 / 人
有給休暇取得の促進(2019年より取り組み開始) 全従業員年間20日の有給休暇取得

2. メンタルヘルスケアの推進

メンタルヘルスケア教育

全従業員を対象に、自分の心の状態を知り、ストレスのコントロール(軽減)につとめられるよう「メンタルヘルス セルフケア教育」を実施しています。さらに責任者を対象に「メンタルヘルス ラインケア教育」を実施、メンタルヘルス疾患の予防に取り組んでいます。

主な教育カリキュラム

No. 項目 目的 対象
1 支援者教育 メンタルヘルスマネジメントに取り組む意義や事例検討を通じて、良好な関係を築くコミュニケーション方法・スキルを学ぶ 事業部長、副事業部長
2 管理職への実践的なラインケア教育 一次予防に焦点を当て、メンタル不調に至ることを防ぐための「部下へのかかわり方」「マネジメントの仕方」について学ぶ チームリーダー以上
3 メンタルヘルス教育 ストレスの受け止め方などメンタルヘルスの基礎知識を学ぶ 全従業員
4 管理職への昇格時教育 心理的安全性、ラインケアの基礎を学ぶ チームリーダー以上
5 管理職への定期的な教育 メンタルヘルス基礎リテラシーの習得 チームリーダー以上

ストレスチェックの実施

労働安全衛生法によりストレスチェックが義務化される以前の2008年より、メンタルヘルスケアの一環としてストレスチェックを実施し、メンタルヘルス疾患の予防、早期発見につとめています。(受検率100%)
2019年より、高ストレスの従業員が多い部署に対しては、必要に応じて職場環境改善を図ることを目的に集団分析を実施しています。高ストレスと診断された部署に対しては、メンバーとの個別面談を実施し、その傾向を所長、管理監督者にフィードバックし、職場改善につなげています。

3. 禁煙推進活動

働く仲間の健康を気遣うことを出発点として、従業員の健康維持・向上を目的に、喫煙率の低減に取り組んでいます。

KPI

項目

区分

実績

目標

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

喫煙率

全年齢

26.7%

25.0%

22.4%

18.0%

15.0%

40歳以上

33.0%

30.0%

28.2%

25.0%

22.0%

具体的な取り組み

喫煙者懇話会

経営層を含めた喫煙者懇話会を定期的に開催し、喫煙者の意見をヒアリングしながら現実的で実効性のある禁煙推進施策を検討しています。

ワークショップ

禁煙に取り組む従業員向けのワークショップです。
経営層から喫煙者および非喫煙者に向けて禁煙推進の重要性を発信しており、禁煙推進施策に対する会社の姿勢を従業員へ伝える大切な場となっています。

<内容>

  • 禁煙体験の共有
  • 喫煙健康被害に関するセミナー
  • 禁煙外来などの社内禁煙支援制度の紹介
国内全事業場の禁煙の状況

2022年4月1日より敷地内を完全に全面禁煙としました。

  • 事業所内の喫煙所は閉鎖
  • テナントビルに入居している事業所・営業所おいては共用部にある喫煙所も利用禁止
禁煙教育

2020年度
2020・2021年度に社内の喫煙者を対象に、喫煙者本人と周囲(ご家族、職場の同僚など)への健康被害について理解を深めるとともに、会社および健康保険組合からの禁煙支援制度を改めて周知徹底することを目的に「禁煙Eラーニング」とアンケートを実施しました。

  • 対象者:社内の喫煙者590名(任意参加)
  • 受講者:502名(受講率85%)
  • 実施月:
    2021年3月 禁煙Eラーニング
    2021年4月 受講後アンケート調査

<受講後アンケート結果>
定性的な効果を把握するために実施したアンケート(485名回答・回答率96%)では、回答者の73%(355名)から「禁煙への意識が高まった」「受動喫煙による周囲(家族)への健康被害が心配」と回答がありました。

2021年度
喫煙者・非喫煙者を含めた全従業員を対象にしたワークショップを通じて禁煙推進施策の説明と周知徹底および医療機関による禁煙教育を実施しました。

<禁煙推進施策の説明と周知徹底及び医療機関による禁煙教育(禁煙ワークショップ内にて)>

  • 対象者:全従業員(喫煙者および非喫煙者) ※非喫煙者は任意参加
  • 受講者:2021年度喫煙者492名のうち喫煙者456名(92.7%)
  • 実施月:2021年11月(1回目)・2022年2月(2回目)
  • 概要:
    経営層による全従業員(喫煙者および非喫煙者)に対する禁煙推進の重要性に関する講話
    敷地内全面禁煙や各種禁煙施策の周知徹底
    喫煙健康被害等について医療機関による教育

<受講後アンケート結果>
喫煙者からは「社長の思いがとても伝わってきた。またセミナーで喫煙の怖さ、リスクが理解できたので禁煙にチャレンジしてみようと思う」などの意見や、非喫煙者からは「会社が禁煙推進に対して本気であるという姿勢が伝わった」などの意見がありました。

禁煙支援制度
  • 禁煙外来、禁煙Web診療の積極的な活用を勧奨
  • 禁煙外来受診済みの希望者に禁煙補助剤の無料配布支援
  • 希望者に禁煙に役立つ書籍の配布

禁煙推進施策実施後の効果についての総評

2020年度
全従業員の健康維持・向上と喫煙者の禁煙のきっかけづくりを目的に、2020年度より禁煙推進施策を提案・実行してきました。施策実施後に全従業員を対象に行った行動変容調査(回答率90.2%、2021年7月実施)では、全年齢における喫煙率が2020年度調査結果(25%)から約4%低下しました。

2021年度
2022年4月から国内全事業場の全面禁煙を開始するにあたり、禁煙推進に対する会社の姿勢と禁煙により得られる健康利益について理解してもらえるように各種の禁煙施策を計画・実行しました。直近に実施した2022年度行動変容調査(回答率93.2%、2022年5月実施)では、全年齢における喫煙率が2021年度実績22.4%から、0.9%ダウンの21.5%となっていることがわかりました(2022年5月時点)。今後も喫煙率低減に向けて禁煙推進施策を実施、推進してまいります。

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