技術情報
デバイスの移動(Transfer)
2021.07.01
あるDevice Typeで管理していたデバイスを異なるDevice Typeに移動したいときはありませんか。例えば、社内用として管理していたデバイスをお客様向けに提供したいときや回線の更新を行いたいときなどです。この際に使用する機能がデバイスを異なるDevice Typeに移動するTransfer機能です。

Transferには、下記の2種類があります。
- 同一Order内の移動
- 異なるOrderをまたがる移動
この2種類のTransferの違いについて、Sigfox Buyで回線を購入する例で見てみましょう。Sigfox Buyで回線を購入すると、OrderとContractが1対1の関係で生成されます。
- ※Order:回線の申込みで、1日の通信回数レベル等が設定されます。
Contract:Orderに紐づいており、Atlas Nativeオプション等、オプション設定がされます。
ここでは、2回に分けて回線を購入したとします。
1回目に回線を購入した際は、Order AとContract Aが生成されます。

2回目に回線を購入すると、新たなOrderとContractが生成されます。今回は、Order BとContract Bとします。

同一Order内の移動
1回目に購入したContract Aが紐づくDevice Type XでデバイスをActivation(初回通信)させ、その後、Device Type YにTransferさせます。Device Type Yには、同じOrderが紐づいていますので、同一Order内の移動になります。
- ※Device TypeとContractの関係はこちらの記事を参考にしてください。

Device Type XでデバイスがActivation(初回通信)すると1回目に購入した回線(Token)がデバイスに紐づきます。同一Order内の移動の場合、Transfer後も1回目に購入した回線(Token)を継続して利用することができます。

異なるOrderをまたがる移動
1回目に購入したContract Aが紐づくDevice Type XでデバイスをActivation(初回通信)させ、その後、Device Type ZにTransferさせます。Device Type Zには、異なるOrderが紐づいていますので、異なるOrderをまたがる移動になります。

Device Type XでデバイスがActivation(初回通信)すると1回目に購入した回線(Token)がデバイスに紐づきます。異なるOrderをまたがる移動の場合、1回目に購入した回線(Token)は、Transferした時点で消費されてしまいます。Transfer後、初回通信したタイミングで、2回目に購入した回線(Token)を新たに使用することになります。

Sigfox Buyで購入した回線は初回通信した時点から1年間利用できます。もし1年経たないうちに異なるOrderの紐づくDevice Typeへ移動してしまうと、その時点で回線の残期間分を失ってしまいます。また、1度失った回線は、再度利用することができませんので、必ず回線の利用期限を確認してからTransferを行ってください。
- ※回線の利用期限は、Sigfox BackendのDevice Information画面、Token Validityの項目で確認できます。
Transferの方法
個別にデバイスをTransferする方法と複数のデバイスを一括でTransferする方法を紹介します。
- ※同一Order内の移動、異なるOrderをまたがる移動、どちらも同じ方法になります。
個別にデバイスをTransferする方法
①DEVICEメニューより、TransferさせるDevice Idを選択します。

②Device Information画面右上[Transfer]ボタンをクリックします。

③Transfer画面で必要事項を選択し、[Ok]ボタンをクリック

- New Device Type:移動先のDevice Typeを選択します。
- Keep history:過去のメッセージの履歴を残すかどうか設定します。
☑:過去のメッセージ履歴を残します。
☐:過去のメッセージ履歴は削除されます。 - Activable:アクティベートの制限の設定をします。
☑:初回通信時にアクティベーションします。
☐:別途Activableに☑後、初回通信時にアクティベーションします。
複数デバイスを一括でTransferする方法
①DEVICEメニューより、右上[Transfer series]ボタンをクリックします。

②移動先のGroupを選択します。

③Device – Bulk Transfer画面で必要事項を入力・選択し、[Ok]ボタンをクリックします。

- New Device Type:移動先のDevice Typeを選択します。
- Identifiers file:txt / csvファイルを選択します。
Identifiers fileのフォーマット
Identifiers fileは、区切り文字が";"セミコロンないし","カンマのtxt / csvファイルであり、下記のフォーマットとなります。


以下の項目は、 Identifiers fileを使用しない場合、入力・選択します。
- Identifiers list:TransferするDevice IDを入力します。
- Keep history:過去のメッセージの履歴を残すかどうか設定します。
☑:過去のメッセージ履歴を残します。
☐:過去のメッセージ履歴は削除されます。 - Activable:アクティベートの制限の設定をします。
☑:初回通信時にアクティベーションします。
☐:別途Activableに☑後、初回通信時にアクティベーションします。
以上の処理を行うことで、デバイスを異なるデバイスタイプにTransferすることができます。
Company Groupをまたがる移動
Transferは、同じCompany Groupとその配下Groupに紐づくDevice Type間でデバイスを移動する場合に利用することができます。異なるCompany Groupをまたがってデバイスを移動する場合は、Transferを利用することができませんので、デバイスの新規登録(New)を使って移動をします。デバイスの新規登録(New)の方法は、こちらの記事を参考にしてください。
- ※Company Groupとは、Sigfox BuyやDevkitで回線を入手した際、生成される最上位Groupのことです。
デバイスの新規登録(New)を行う際の注意事項
- デバイスの新規登録(New)を行う際、最新のPACが必要です。最新のPACは、Sigfox BackendのDevice Information画面、PACの項目で確認できます。
- デバイスの新規登録(New)を行うとデバイスのメッセージ履歴が削除されます。必要に応じてデバイスを移動する前にDevice Information画面よりメッセージをCSV出力してください。
- 移動前に紐づいていた回線(Token)は、移動した時点で消費されます。移動後、初回通信を行うと、新たな回線(Token)が紐づきます。
- デバイスの新規登録(New)は、デバイスを削除(Delete)せずに行うことができます。
- デバイスの新規登録(New)を使った場合、移動開始から移動完了するまで約15分かかります。