公立甲賀病院医療法人向けアメーバ経営コンサルティング

やるべき医療、やりたい医療を行うために経営をしっかりとやる。

公立甲賀病院は、甲賀市と湖南市が運営する一部事務組合立の国保病院として、地域中核病院としてのスケールメリットを活かしながら救急医療、高度・専門医療へ積極的に取り組んでいる。413病床、34の診療科を有し、2013年4月1日に病院の新築移転を行った。
特別顧問(前院長)の冨永 芳徳氏に「医療法人向けアメーバ経営コンサルティング」導入の経緯と、その効果を伺った。

公立甲賀病院
特別顧問(前院長)
冨永 芳徳 氏

相次ぐ診療報酬のマイナス改定に危機意識

「私たちは、公立病院ですので公共性ということに関しては、職員も非常に熱心でした。しかし、経済性を発揮しながらということに関しては、やや意識が薄い状況でした。そのような中、2003年から診療報酬のマイナス改定が相次ぎ、経常収支の利益幅も徐々に少なくなっていきました。このままでは赤字になるのではという危機意識を持っていた時、2009年2月にKCCSのセミナーへ参加しました」

もともと、アメーバ経営の考え方と仕組みに興味を持っていたという冨永特別顧問。KCCSの医療マネジメントセミナーで「医療法人向けアメーバ経営コンサルティング」を知り、経常収支の赤字を出し続けることはもう許されないという強い思いから、導入を決めたという。

「特に課題であったのは、中間管理職と呼ばれる人たち。医師であれば医長とか、看護師であれば看護師長とか、管理者的な立場の人たちに経営意識が不足していました。新病院の建設費用のこともあり、経営ということを本格的に全職員が考えなければいけない。特に中間管理職以上の経営意識を高めなければ、公立病院として難しい立場になるのではないかと思いました。そこで、導入の前から勉強会を開き、医療法人向けアメーバ経営を教えてもらい、勉強をしていきました。その上で、ある程度の職員合意を得てから導入に踏み切りました。以前にも、監査法人や他のコンサルタント会社による経営診断やコスト削減提案などをいただき、実践しましたが、その時点でのもので継続性がありませんでした。しかし、医療法人向けアメーバ経営は継続性があります。

各部門で採算表を使い採算を管理していますが、収入から経費を引いた金額を部門の総労働時間で割り、時間当りを算出します。この数字は、自部門がどれだけ経営に貢献しているかを可視化し、部門の人数などに左右されない、統一の経営指標になっています。ですから、各部門ではこの時間当りの数字を向上させるために、残業をしないようにしようとか、コミュニケーションを多くしチームワークをよくするとか、さまざまな創意工夫を行っています。それを毎月、全体会議で発表することで、他の部門でやっていることでよいことは各部門でも取り入れていこうとか、病院全体の取り組みとしてやっていこうとか、改善していくことができます」

自分の働きがどれだけ経営に貢献しているのかを見える化

これまで、公立病院の経営は、医師が1ヵ月いくら稼ぐかという医師単位、整形外科や内科、外科などの科単位での数字しか見ることができず、職員の約9割を占めるコメディカルと呼ばれる看護師や事務系などの部門では、自分の働きがどれだけ経営に貢献しているのかがわからなかった。経営とは何か、どうしたらいいのかがわからないから、毎日一生懸命やっていれば良いと考えていたという。
医療法人向けアメーバ経営では、独自の方式「院内協力対価」を用いて、コメディカル部門でも、経営への貢献度である時間当りを算出できる。

「見える化っていうことが、なかなかできなかったんです。それが、院内協力対価によって、どれだけ収入があって、支出がこれだけあるから、残ったのはいくらですという自分たちの収支状況が家計簿のようにわかります。経済性における貢献度が可視化できる。だから、これだって思いました。
私が使命感とか理念を言ってはいますが、それは見える形ではなかったのです。お互いの対価を持って自部門の収支状況がわかれば、もう少しここはがんばらなければいけないとか、こうすることによって患者さんのためになる、患者さんのためになるっていうことは収入も上がるということもわかってきてくれた。そういう意識がチームとして芽生えてきました」

良い医療を提供するためにも全員参加で経済性を

医療法人向けアメーバ経営の導入により、職員の意識にも変化があった。
「公立病院でも経済性を発揮しなければいけない。経常収支の赤字が続けば、住民からも信頼を得られないし、両市の議会からも信頼を得られないということになります。そうなれば、私たちがやりたい医療、やるべき医療ができない。良い医療を提供するためには、近代的な設備も導入しなければならない。さらには、経営を確立しなければ自分達がやりたいって言う機会も、もらえないということがあると思います。だから、全員参加で経済性も重視しなければいけないのです。

院長や副院長、看護部長に任しておけばいいんだ、私たちは毎日普通にやっていればいいという意識がこれまであったかもしれませんが、自分たちが主体で関わり、どれだけ病院に貢献し、地域のため、患者さんのためにも、こうすればより貢献できる。それによって私たちのやりたい医療もできる、やりたい看護もできるという意識に変わってきました」

意識の共有、目標の共有ができるようになった

これまで、年度と年度末に目標をつくりABC評価をしていたが、数値に落とし込めていなかった。公務員の使命感とか、プロフェッショナルという自立性に任されてきたが、数値で見えることによって、公務員としての使命感、達成感、プロフェッショナルとしての自立性はさらに高まったという。

「自分たちで目標を立て、自分たちが今月を把握し、来月、あるいは来年はどうするかという目標を立て、それを達成しようと努力しています。上から強制されるのではなく、自分たちでやろうと。各部門が時間当りをこれぐらい出せれば、やっていけるという数値がわかるので、自分たちが努力しなければ、病院が赤字になるという危機意識を持っています。そのためにどのようにしたら時間当りを上げられるのか、どうしたらいいのか、そういうKCCSのノウハウをコンサルタントの方から教えてもらっています」

意識の共有、目標の共有ができるようになり、院長としての負担が軽くなったという冨永特別顧問。現状の維持も難しい公立病院の経営環境であるにもかかわらず、以前から大切にしてきた患者さんの評判はもちろん、設備の面なども含め、医療法人向けアメーバ経営のサイクルを回すことで、さらに高めていけると確信している。

2013年06月06日

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