技術情報
Sigfox MonarchによるIoTグローバルローミング
2019.03.26
Monarchとは?
Monarchは、LPWAの特長(低消費電力、低コスト、シンプルオペレーション)を維持しながら、海外を移動するIoTデバイス向けにUnaBiz SAS社が開発したシームレスグローバルローミング技術です。

Monarch技術を活用したユースケースは既に、ミシュランの物流コンテナトラッキングとして実現されています。
Monarchってどう動くの?
Sigfoxネットワークは、各国の技術基準に応じ複数のRC(Radio Configuration)に分けて運用されています。
各国のSigfoxベースステーションは、定期的にMonarchビーコンを送信しています。Monarch対応デバイスは、このMonarchビーコンを受信することにより、どの国にいるのかを把握し、その国の技術基準にあった通信を開始します。

Monarch対応デバイス
Monarch対応デバイスを作るためには
- 各RCに対応したアンテナ及び受信回路
- Monarchビーコンを受信するためのOOK復調可能なサブGHzトランシーバ
- Monarch対応SigfoxライブラリをポーティングするMCU

が必要となりますが、ST社やLITE-ON社等のSigfoxチップセットメーカ、モジュールメーカからMonarch対応のソリューションが提供されています。
Monarch対応Sens'itで日本-シンガポール物流
Monarch対応デバイスは、ルイ・ヴィトンのECHOを開発したAxible社が提供していますが、Sens'itでもPoCレベルのMonarchトラッカとしては使えるとのこととで、早速、日本-シンガポールで海上輸送してみました。

Sens'it V2を5台、輸出開始です。
3月5日に出荷し、しばらくは大井ふ頭近くで待機。3月11日にようやく横浜港を出港したSens'itの行方は。。。

無事にシンガポールに到着していました。
さらに、うち1台の履歴を見てみると、香港にも寄っていることがわかりました。RC3(日本)からRC4(Hong Kong、Singapore)へのローミングの旅でした。

本記事で利用するDevkitはこちら
Sens'itV3
Sens'itV2