京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、「現場の知能化」と「データセンターでの推論高速化」を柱に、フィジカルAIによる次世代ロボットトランスフォーメーションに取り組んでいます。
人が行う複雑な作業をAIが学習し、ロボットによる自動化を実現することで、物流・製造現場における人手不足、技能継承、自動化・高度化の需要増といった社会課題の解決を目指します。
フィジカルAIとは
フィジカルAIは、現実世界(フィジカル空間)と相互作用するAI技術です。カメラやセンサーで周囲の状況を「認識」し、AIが次に何をすべきかを「判断」、その結果をロボットアームなどが「動作」として実行します。
KCCSの取り組み
1.フィジカルAIによるロボットトランスフォーメーション
フィジカルAIにより、ロボットはラベリングやピック&プレイス(ピッキング)、検品といった、これまで人間が行っていた複雑な作業を自律実行できるようになります。
多品種を扱う倉庫で、フィジカルAI搭載ロボットが入出荷の作業を学習し、製品や手順の変化に合わせて横断的に切替対応。単純置換を超え業務工程を変革します。2.多拠点学習ネットワーク
全国の工場・物流倉庫や製造現場をデータセンター経由で接続し、ある拠点でAIが習得したスキルを他の拠点へも展開することを目指しています。学習モデルを共有することで再学習の手間を省き、全拠点での業務最適化を加速します。
3. AIロボットの実現に向けたコア技術の開発
実世界で柔軟に動作するAIロボットの実現に向け、以下のコア技術の研究開発に取り組んでいます。
拡張マルチモーダル
3次元空間情報に加え、時間の変化や各種センサ情報をまとめて学習し、 周囲の状況をより正確に理解できます。
専門モデル(MoE)最適化
作業ごとに得意なAIモデルを使い分けることで、 状況に応じた判断や動作を効率よく行います。
クロス・エンボディメント動作学習
形や大きさの異なるロボットでも、 同じ動作を学び、活用できるようにする技術です。
フィジカルAIが描く、
人とロボットが共存する新たな社会インフラ
フィジカルAIが実現する未来では、人の熟練技術をAIが学び、ロボットが倉庫や工場で人と同じように自然な動きで働くようになります。
環境が変わってもAIが自ら適応し、再設定の手間なく即座に稼働。
さらに、全国の現場がデータセンター経由でつながる「フィジカルAIネットワーク」を形成し、省人化と技能継承を両立した新しい社会インフラを目指します。
利用シーン

工場・物流倉庫
- 検品:入荷検品時にカメラで箱やラベルを認識し、ピッキングや仕分を自動化
- 仕分:出荷仕分時にAIが行先・数量・重量を判断し、搬送経路を自律決定
- 棚入れ/補充:作業者の動きを学んだロボットが自律して棚入れ/補充

製造現場
- AR作業支援:作業者にARグラスで次の指示を提示、AIがリアルタイム支援
- 応用展開:組立・検査・搬送など、類似工程への応用展開

