工場屋根上を有効活用し、メガソーラー発電所を建設
高信頼・高品質の太陽光発電システムでビジネス価値を創出

(右から)株式会社エンケイホイールコーポレーション 生産技術統括本部 執行役員 堀本 浩親氏 / エンケイ株式会社 代表取締役 鈴木 順一氏 / エンケイ株式会社 業務統括本部 総務グループ 部長 松島 典和氏 / 京セラコミュニケーションシステム株式会社 ソーラーエネルギー営業部 西日本営業部 部長 服部 達幸

自動車・オートバイ用アルミホイールの世界的メーカーとして知られるエンケイ株式会社(エンケイ)。同社豊岡工場(静岡県磐田市)では、京セラ製の太陽電池モジュールを採用し、14棟の工場屋根の上に太陽光発電システムを導入。京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の設計・施工により、2013年8月から出力約1MW(メガワット)のメガソーラー発電所が稼働を開始している。製品の優位性のみならず、設計から施工、保守まで高いサービス品質と信頼性が求められ、KCCSが持つ豊富な実績とノウハウが評価された。

「有機質な」環境づくりや省エネ・省資源に取り組む

エンケイはアルミホイールをはじめ、アルミ製エンジン部品などの生産・販売活動をグローバルに展開。国内のみならず、北米・東南アジアに生産拠点を構え、世界市場へ製品を供給している。同社のアルミホイールはF1などのモータースポーツへも提供され、「品質と技術のエンケイ」の名は世界の自動車メーカーからも高く評価されている。

同社では以前より環境保全や省エネ・省資源に積極的に取り組んできた。例えば、使用済みスクラップホイールの再利用などを推進している。また国内・海外の工場では緑化活動を展開。こうした取り組みについて、株式会社エンケイホイールコーポレーション 生産技術統括本部 執行役員の堀本 浩親氏は「無機質になりがちな工場にあって、建屋内に観葉植物を配置するなど有機質な職場環境づくりを進めています」と述べる。

株式会社エンケイホイールコーポレーション
生産技術統括本部
執行役員 堀本 浩親氏

豊岡工場では、アルミ材料を溶かす溶解炉やホイールを製造する鋳造機などが立ち並ぶ。エンケイ 代表取締役 鈴木 順一氏は「当社はまさにエネルギー多消費産業です。年間に消費する電気やガスは膨大な量におよび、いかに消費量とコストを削減するか。エネルギー削減に向け、戦いの連続でした」と力を込める。豊岡工場ではかつて重油を使った自家発電設備を導入したほか、2010年には試験的に100kWの太陽光発電システムを導入している。「太陽光発電システムはメンテナンスフリーで効率よく発電できることを以前から理解していました」と鈴木氏は述べる。

エンケイ株式会社
代表取締役
鈴木 順一氏

採用の決め手は製品・施工の「品質と信頼性」

東日本大震災を経て、国内の産業界ではさらなる節電・省エネ対策が課題になる一方、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用した再生可能エネルギーへの取り組みが広がってきた。こうした中、政府では2012年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度をスタート。CO2削減による環境保全への貢献に加え、売電により新たな収益源を確保するなど、ビジネスとして太陽光発電システムに注目する企業も増えつつある。

エンケイもそうした先進的な企業の1つだ。買取制度の開始を契機に豊岡工場内での導入の検討を開始。複数メーカーの太陽光発電システムを比較検討した結果、KCCSが提案した京セラ製太陽電池モジュールを採用。その決め手は「品質と信頼性でした」と堀本氏は強調する。

産業用太陽光発電システムによる固定買取期間は20年。「最低でも20年間は使い続けることになります。いくらイニシャルコストが安くてもシステムが故障するようでは使い続けられません。またメンテナンスを行うにしても、そのメーカーが廃業したり、太陽光発電システム事業から撤退したりするようなことになれば困ります。そのため、太陽光発電システムの品質はもちろん、メーカーとしての信頼性や実績が重要な選択のポイントになりました」と、エンケイ 業務統括本部 総務グループ 部長の松島 典和氏は話す。

エンケイ株式会社
業務統括本部 総務グループ
部長 松島 典和氏

エンケイに太陽光発電システムの提案・見積もりを出した会社の中で、京セラ製品を扱うKCCSの見積もり価格は他社に比べ割高だったという。だが、鈴木氏は「価格は多少高くとも、製品の品質や企業の信頼性、発電所建設におけるKCCSの豊富な実績などから、京セラの太陽電池モジュールを用いた太陽光発電システムを導入する」と、トップの決断のもとKCCSの提案を採用している。

工場内14棟の屋根に4,200枚の太陽電池モジュールを設置

太陽光発電システムの導入にあたってKCCSは、提案からプランニング・設計・施工・保守までトータルに担当。KCCSの環境・エネルギーエンジニアリング事業の強みは、無線通信基地局の建設で培った電気工事と建設工事の技術力と豊富な経験、通信エンジニアリング事業やICT事業と連携した相乗効果を発揮できることだ。「立地や建物の形状、電力設備などを調査・検討の上、設置する場所の構造物の強度確認や補強工事などの要望にも対応しながら、お客様のニーズに合わせた太陽光発電システムを提案・建設しています」とKCCS ソーラーエネルギー営業部 西日本営業部 部長の服部 達幸は話す。

ソーラーエネルギー営業部
西日本営業部
部長 服部 達幸

エンケイの豊岡工場は24時間体制で操業。その建屋の屋根に多数の太陽電池モジュールを設置する。そこで、「工場の業務の妨げにならないようにモジュールの搬入・設置などを調整しながら作業を進め、工場の皆さんの協力をいただきながら3カ月で施工を完了しています」と服部は述べる。ちなみに、敷地内の設備設置の際は、樹木を他の場所に植え替えるなど環境保全に留意しながら施工した。また、工事に先立ってKCCSでは経済産業省や電力会社への設備認定の申請を代行するなど、豊富な経験を活かしたサポートを実施している。

豊岡工場では14棟の屋根に合計4,200枚の太陽電池モジュールを設置。太陽電池が発電する直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナー(250kW)を4台設置し、総出力約1MWのメガソーラー発電所が2013年8月末から稼働を開始した。

エンケイ豊岡工場発電所(上空)

予想を上回る発電電力量を達成し、投資の早期回収を期待

導入効果について、メガソーラーを担当する松島氏は「予想以上の発電電力量を達成しており、投資の早期回収が見込めそうです」と手ごたえを話す。稼働前のシミュレーションでは、年間発電電力量は約100万5,000kWhだったが、2014年6月末現在で約101万4,000kWhを達成。豊岡工場のある静岡県は日照に恵まれた地域であることも幸いし、当初の予想を10カ月で上回った。このペースでいけば豊岡工場では年間に約120万kWhの発電電力量が見込める。

エンケイ豊岡工場発電所

鈴木氏は「太陽光発電システムは人手をかけずメンテナンスフリーで利益を上げることができ、ビジネスとして魅力的です。このまま順調にいけば6~7年程度で投資を回収できます」と期待する。また売電による収益のみならず、太陽電池モジュールを屋根に設置することで直射日光を遮へいでき、特に夏場の建物内の温度上昇を避ける効果もあるという。

さらに豊岡工場と本社(浜松市)では、KCCSの提案により発電状況やパワーコンディショナーの運転状況などを把握できるモニターを設置。発電量などをPCやスマートフォンからも遠隔モニタリングでき、発電実績などのデータは社内会議でも活用されているという。また、豊岡工場では太陽光発電システムで発電した電力を売電する一方、工場で使用する電力は電力会社から購入している。「その電力コストを低減する受電設備への切り替えを提案され、検討しているところです。KCCSは電力に関する知識が豊富で、太陽光発電のことだけでなく、工場全体の節電対策などもアドバイスしてもらっています」と堀本氏はKCCSの提案・サポートを評価する。

エンケイでは現在、豊岡工場のメガソーラー発電所の増設を開始している。また今後いくつかのグループ会社の工場に新設する計画もあり、これらが実現すれば合計で約2MWの発電電力が生み出されることになる。

KCCSでは近い将来の電力自由化などを見据え、産業に役立つ太陽光発電システムの提案とともに、ICTや通信エンジニアリングでのノウハウを活かしたビジネス支援など幅広いサービスの提供をしていく考えだ。

取材時期:2014年6月
掲載日:2014年8月25日

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