ダイバーシティ&インクルージョン

KCCSがダイバーシティ&インクルージョンで目指す姿
トップメッセージ
私たち京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、年齢や性別、国籍などに関係なく、すべての働く仲間にとって「働きやすく働きがいのある会社」「働く仲間が幸せになる会社」の実現を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。なかでも女性活躍推進は、私たちの目指す姿を実現するための第一歩として不可欠な取り組みです。
従来のKCCSでは、日本の雇用慣行であった年功序列という考え方が取り入れられていました。そのため、能力は会社での業務に従事する時間に応じて高まるものと考えられていたことから、重要なポスト・役割は長い期間に渡って継続的に会社に勤務している男性従業員が中心となり、出産休暇・育児休業を取得する女性従業員の昇格や昇給が遅れていました。加えて、育児休業後に時短勤務を選択する女性従業員の中には、現場の第一線を退き、サポート中心の役割に変更を希望せざるを得ない方も多くいました。また、それぞれの職場においても、育児中の女性従業員に配慮するあまり、責任のある仕事は時間制約のない従業員が行う体制になっていることが多く、十分な選択肢や成長の機会を提供することができていなかったのではないかと考えています。
しかしながら、これからの時代は女性の活躍が会社の成長にとって不可欠な要素であることは間違いありません。女性従業員が育休による格差や不利益を感じることなく、家庭と仕事を両立させ、自分のキャリアを考えられる職場環境を整えていくことが急務と考え、まずは以下の取り組みを進めてまいります。
①働き方の選択肢を増やす
仕事と育児の両立支援にあたっては、2020年よりテレワーク制度を導入しました。すでに希望者は週1日の出社・週4日のテレワーク(在宅勤務)が認められ、勤務時間帯も柔軟な設定が可能となっていますが、今後さらに働く場所と時間の自由度を向上させていきたいと考えています。この実現にあたっては、「成果」をしっかりと評価する仕組みが必要であり、現在その準備を進めています。これにフレックス勤務制度を掛け合わせることで、働き方の柔軟性は格段に向上するものと考えています。
②産休・育休を取得する従業員の処遇を見直す
産休・育休の取得による昇格遅れについては、2021年の人事制度改定を機に改善しました。今後は、これまで慣例となっていた昇格の時期や回数の見直し、昇給の遅れについても改善を行ってまいります。さらに、育児休業期間における収入の減少を補填する仕組みも検討することで、男性従業員の育休取得率の向上にも取り組みます。
③育休によるキャリアの分断のカバーとリスキリング教育の提供
若いうちから将来のライフイベントとキャリアを考えるためのキャリアデザイン研修、女性向けマネジメント研修などの教育機会を提供し、これらの教育で描いたキャリアを実現するための仕組みとして、すでに実施している社内インターンやキャリアチャレンジ制度(社内転職制度)のさらなる推進に加え、復職後に一定期間の技術的教育を実施することで、育休により遅れてしまう技術面をサポートする仕組みを導入したいと考えています。このような制度により、出産・育児休業後も第一線のエンジニアとして活躍できる環境を整えてまいります。
④相互理解を促進し、女性従業員の状況や思いを正しく理解する
産休・育休を取得する従業員が復職後も働きやすさ、働きがいを感じながら仕事をするためには、周囲の仲間の理解が不可欠であることから、全従業員に対してアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込みや偏見)に関する教育を実施しています。また、その上で、休職前後の面談はもちろん、希望する従業員には休職中も定期的な面談を実施し、従業員一人ひとりに向き合いながら復職後の業務アサインをはじめ、本人が希望するキャリアの実現を支えていく風土を構築してまいります。
これらはKCCSのダイバーシティ&インクルージョンの取り組みの一例ではありますが、今後も私たちは、「性別、年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、宗教、信条、価値観」の多様性はもちろんのこと、「キャリアや経験、働き方」など従業員一人ひとりの多様性を活かし、お互いを認め合いながら一体感を醸成していく、そのような会社を目指してまいります。
2023年3月
代表取締役社長 黒瀬 善仁
女性の活躍・登用について
「仕事もプライベートも100%頑張りたい!」KCCSではこのような考えを持った女性が多く働き、活躍しています。子育て中の従業員には育児休暇はもちろん短時間勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができる制度もあります。多様な人材が働きやすい環境が整っていることが、女性の活躍、キャリアアップ、そして事業への貢献につながっています。私たちは創業以来、「全員参加の経営」「大家族主義」をベースに事業運営を行っています。この風土がお互いの個性や価値観、考え方を認め合い、一体感を持って働ける源になっています。
2023年3月
取締役 ICT事業本部長 牧田 真実
女性の雇用
女性従業員比率

2022年度実績値
産業ごとの女性労働者の割合の平均値:情報通信業 24.0%、建設業 14.2%
出典:厚生労働省(令和4年5月)女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る 基準における「平均値」について
従業員の男女比率(職種別)

2022年度実績値
自身のキャリアビジョンに応じて、性別や年齢の区分けなく「マネジメント」「スペシャリスト」「ジェネラリスト」の役割を選択し、追求できる環境を用意しています。
採用における男女比

男女別の採用における競争倍率

2022年度実績値
女性の雇用形態・キャリアの転換および再雇用、中途採用に関する実績
さまざまなバックグラウンドを持つ女性がチャレンジできる体制が整っています。

管理職への登用
女性管理職比率

産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値:情報通信業 8.2% 建設業 3.1%
出典:厚生労働省(令和4年5月)女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る 基準における「平均値」について
女性役員数・比率

従業員の半数が所属するICT事業本部のトップを女性役員が務めています。
2022年度実績値
全国にある拠点の内、本社・札幌・東京の所長、大阪の副所長を女性が務めています。
営業・製造部門の部長として活躍する女性もいます。
勤続年数について
男女の平均勤続年数

令和4年 産業別 平均継続勤務年数
情報通信業:男性13.3年/女性8.7年 建設業:男性13.3年/女性9.6年
(出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」第5表)
2022年度実績値
平均勤続年数の差異の推移

男女の勤続年数の差異は、2016年度3.7年から2022年度1.9年へと減少してきています。
KCCSではこれからもさまざまなライフステージの女性が働きやすくなるように支援し、女性が仕事を断念することなく安心して長く働ける会社を目指します。
従業員の継続勤務について
10年前に入社した従業員の継続割合(2013年入社者)
正社員男性:50.8% 正社員女性:28.6%
給与について
全体 男女給与比率

※1 育児休職など、休職により賃金が日割りないしは全額控除の従業員も含めた比較
※2 パートタイム労働者の月間平均労働時間は57.5時間。
コース別 男女給与比率

※ 育児休職など、休職により賃金が日割りないしは全額控除の従業員も含めた比較
分析
性別による給与差は設けていませんが、以下を背景に女性より男性の給与が高くなっています。
1. 育児休業・時短勤務による影響
- ①育児休業の取得による昇給・昇格の遅れ
- 旧人事制度では、評価に応じた昇給とポイント制による昇格を実施しており、育児休業期間は評価対象外となることから、女性従業員の昇給・昇格が遅れていた。
- ②比較的賃金が高い傾向にある管理職層の男女割合の差(女性管理職比率:7.8%)
- 育児主体者が女性に偏っていることから、20年ほど前までは結婚・出産により退職する女性従業員が多かったことに加え、現在では第一線で活躍していた女性従業員が、出産と育児をきっかけに間接部門へ異動を希望することが多く、管理職の希望者が少ないこと、従業員の女性割合が22%と母数が少ないことも女性管理職比率が低い要因と考えている。
- ③育児休業・時短勤務による平均労働時間の差
- 育児中の従業員は、男性に比べて女性の方が長期の育児休業や継続的な時短勤務を選択することが多く、平均労働時間が短い傾向にある(女性従業員の残業時間は男性従業員の約1/2)。
なお、男性従業員の育児休業は、希望者全員が取得しているものの、2021年度に育児休職を希望した男性従業員の割合は30%程度と低い状況にある。この背景には育児休業中の収入面の低下が大きく影響している(育児休業給付金の支給額は最大でも67%であること、また申請してから受給までに3ヶ月程度の期間を要すること)。
2. 世帯主に対する住宅手当や扶養家族を持つ社員に対する家族支援手当など諸手当の支給有無の差
女性従業員よりも男性従業員の方が世帯主である割合が高く、家族を扶養している割合も高い。
対策・今後の取り組み
- ①働きやすさの向上
- 2020年に導入したテレワーク制度やフレックスタイム制度(※)の活用により、通勤時間の削減や柔軟な勤務が可能になったことで働きやすさが向上し、特に育児を理由に時短勤務を選択していた女性従業員の労働時間確保という点で一部改善ができました。男性従業員においても育児休業の取得率は増加傾向にあり、テレワーク制度やフレックスタイム制度を活用しながら育児に参加する方も増えています。今後は、さらに働く場所と時間の自由度を向上させていきたいと考えています。この実現にあたっては「成果」をしっかりと評価する仕組みが必要であり、現在その準備を進めています。
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※2023年3月時点で、フレックスタイム制度は育児・介護の場合のみ利用可
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- ②産休・育休を取得する社員の処遇の見直し
- KCCSは2021年に人事制度を改定し、昇格におけるポイント制を廃止したことで、従来発生していた育児休業の取得による昇格遅れを改善しました。現在は全従業員が能力に応じて同じように昇格の機会を持ち、且つ希望すれば育児休業期間においても昇格試験に取り組むことが可能です。今後さらに、育児休業を取得する従業員がより昇格の機会を得られやすいような仕組みづくりも行ってまいります。一方で、昇給の遅れについては改善できておらず、今後対策を検討していく予定です。また、育児休業期間における収入の減少を補填する仕組みを検討することで、男性従業員の育休取得率の向上を図ります。
- ③育休によるキャリアの分断のカバーとリスキリング教育の提供
- 若いうちから将来のライフイベントとキャリアを考えるためのキャリアデザイン研修、女性向けマネジメント研修などの教育機会を提供し、これらの教育で描いたキャリアを実現するための仕組みとして、すでに実施している社内インターンやキャリアチャレンジ制度(社内転職制度)のさらなる推進に加え、復職後に一定期間の技術的教育を実施することで、育休により遅れてしまう技術面をサポートする仕組みを導入したいと考えています。このような制度により、出産・育児休業後も第一線のエンジニアとして活躍できる環境を整えてまいります。
- ④相互理解の促進
- 産休・育休を取得する社員が復職後も働きやすさ、働きがいを感じながら仕事をするためには、周囲の仲間の理解が不可欠であることから、2022年より全従業員に対してアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込みや偏見)に関する教育を実施しています。また今後、休職前後の面談はもちろん、希望する社員には休職中も定期的な面談を実施し、社員一人ひとりに向き合いながら復職後の業務アサインをはじめ、本人が希望するキャリアの実現を支えていく風土を構築してまいります。
多様な人材の活躍
多様な人材がさまざまな部署で活躍しています。
外国籍従業員数

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※2022年度実績値
KCCSでは、中国・韓国・インドネシア・ミャンマー・ベトナムなど、さまざまな国籍の従業員が活躍しています。
外国籍管理職人数

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※2022年度実績値
KCCSだけでなくグループ全体でも外国籍メンバーが活躍しており、国内グループ会社には代表取締役社長を韓国出身者が務めている会社もあります。
障害者雇用率

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※2022年度実績値
再雇用制度について
KCCSでは一度KCCSを離れ、違う環境でさまざまな経験や知識を得た方に再びKCCSで力を発揮していただくためのウェルカムバック制度(正社員としての再雇用制度)を用意しています。その他、豊富な知識・経験を持つシニア人材が安心して活躍できる定年後の再雇用制度も整備しています。
中途採用について

KCCSは京セラのグループの一員として、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、多様な人材が活躍できる会社を目指し、働く環境・人事制度を整備しています。新しい発想や価値観を幅広く受け入れ、技術革新、経営革新といったイノベーションにつながるよう積極的に中途採用を行っています。
採用ページでは、社員の声やKCCSの取り組みなどを紹介しています。