• インフラ・ITマネジメント

フリュー株式会社運用支援サービス

クラウドのメリットを享受しながらサービス品質をさらに高めるAWS向け「運用監視サービス」

クラウドのメリットを享受しながらサービス品質をさらに高める AWS向け「運用監視サービス」

総合エンタテインメント企業のフリュー株式会社(以下、フリュー)では、モバイル向けソーシャルゲームの配信にアマゾンのクラウドサービス「Amazon Web Services(以下、AWS)」を活用するとともに、データセンターの運用・監視などで豊富なノウハウと実績を持つ京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)のAWS向け「運用監視サービス」を採用。スピーディにコンテンツを開発し、安定的にサービスを提供できる体制を整えている。

1.ソーシャルゲームの配信インフラとしてAWSを活用

スマートフォンの急速な普及を受けて、さまざまなアプリが登場し、またSNSの利用も拡大するなどモバイル市場に大きな変化が起きている。サービスの提供方法やユーザの選択肢が広がる中、フリューでは自社のプリントシール機と連動したサービスやモバイルメディアなどの事業を展開している。モバイル向けソーシャルゲーム市場の拡大が期待される中、「当社ではWebの新技術を駆使したアプリケーション開発などにも力を入れています。スピーディな開発と品質の高いサービス提供を通じ、利用者が快適にコンテンツを楽しめる環境づくりを進めています」と、ソーシャルゲームなどのコンテンツ開発を担当するフリュー ソフトウェア開発部の岩下 ゆり子氏は話す。

フリュー株式会社 ソフトウェア開発部 岩下 ゆり子氏

そして、スピーディなアプリケーション開発とサービス提供に必要な環境として、同社ではクラウドサービスであるアマゾンのAWSを採用している。
同社が開発するソーシャルゲームの場合、夏休みや年末年始などにアクセスが増えたり、プロモーション展開などで想定以上にアクセスが集中したりすることがあるという。また、小規模な設備でスタートし、利用者の増加に応じて拡大しながら事業を軌道に乗せていくことが求められる。「ビジネスの変化や成長に合わせて柔軟にシステムを構成できることがAWSの魅力です。ただ、こうしたAWSの利点を享受する一方、クラウド上のシステム運用・保守に関わる課題もありました」とソフトウェア開発部の森田 賢治氏は打ち明ける。

フリュー株式会社 ソフトウェア開発部 森田 賢治氏

2.監視項目の変更など迅速な対応が欠かせないソーシャルゲームの運用・監視

フリューでは2012年6月の恋愛シミュレーションゲームのサービス開始に合わせてAWSを採用するとともに、AWS向けの監視サービスを利用することにした。AWSはさまざまな利点があるものの、セルフサービスが基本のため、用途に応じたインフラの設定やシステムの運用・監視などのノウハウが必要になる。

当初、利用していた他社の監視サービスは、「監視レベルや項目の変更などが難しく、障害発生時の対応の遅れなど体制面での不安が大きくなり、新たな運用・監視の仕組みが求められていました」とソフトウェア開発部の國平 清貴氏は話す。ソーシャルゲームは変化のスピードが速く、1週間に一度の割合で新機能や新サービスを提供することもあるという。そして、そのたびにログの出力のしかたやシステム構成が変わり監視項目も柔軟に変更する必要があるため、運用側でもスピーディな対応が欠かせない。

ソフトウェア開発部の粕谷 大輔氏は「同じソーシャルゲームでも、利用者の動向を見ながら新サービスや新機能を追加していきます。ゲームの遊び方を変更するとログの取得方法も変わるため、安定したサービスを提供し続けるためには、運用側にも柔軟かつ迅速にカスタマイズしてもらえる監視体制が重要になります」と指摘する。

フリュー株式会社 ソフトウェア開発部 國平 清貴氏

3.データセンターでの運用ノウハウを活かしたAWS向け「運用監視サービス」を提案

AWSの利用に関わる運用・監視の課題を解決するため、フリュー ソフトウェア開発部ではKCCSに相談を持ちかけた。同社ではモバイル向けコンテンツの配信などでKCCSのデータセンターを10数年前から活用。サーバやストレージなどをハウジング・ホスティングするとともに運用・監視サービスを利用してきた経緯がある。「フリュー様からの相談に対しては、データセンターでのシステム運用・監視のノウハウや経験を活かし、オンプレミスの仕組みではなくても、同じレベル感でAWS向けの運用監視を実現することをご提案しました」と述べるのは、KCCS 西日本営業統括部 ソリューション営業1課 グループ長の田中 翼だ。

西日本営業統括部 ソリューション営業1課 グループ長 田中 翼

KCCSでは、国内複数のデータセンターやお客様サイト、そしてパブリッククラウドなどの分散環境を統合的に運用管理するための仕組みを「KCCS ITマネジメントセンター」に構築している。スピーディなアプリケーション開発と安定的なサービス提供をサポートするため、業界でも先駆けてデータセンタービジネスに取り組み蓄積してきた運用ノウハウを基に、フリューのビジネスに合わせた柔軟性の高い運用・監視を提案した。

4.AWS向け「運用監視サービス」で運用管理の負荷を軽減し、コンテンツ開発に専念

フリューでは2012年10月からAWS向け「運用監視サービス」を導入。森田氏は「データセンターでのハウジングやホスティングなどを通じ、KCCSは当社のサービスを熟知しています。AWS上のシステム監視のみならず、モバイルコンテンツやアプリケーション開発などビジネス全体を理解した上での運用・監視が期待できます」と採用の理由を説明する。

そして導入効果について國平氏は、「これまで利用していたサービスでは困難だったログのフィルタリングや条件に応じた詳細な監視設定ができることで、運用の負荷も減り、またトラブル時の問題点の把握も楽に行えるようになりました」と述べる。以前は不要なログについても通知され、さらに大量のログの山の中からサービス影響に繋がるログを探し出すのに一苦労していたという。また、岩下氏は「ログの取得にしてもそうですが、障害時の対応においても依頼したことを正確かつスピーディに対応してくれるので安心感があります」と評価する。

これに対し、KCCS データセンター事業部 京都第1運用課 グループ長の引地 潤は「ここ数年で、AWSをはじめクラウドが商用サービスの環境としても十分利用できるという実感が持てるようになってきました。ただその一方で、もっとサービスレベルの高い運用を求める声や、オンプレミス、クラウドなど多種多様な環境を統合管理したいという課題があるのも確かです。一般的な監視サービスは、"システム視点での監視"であり、その監視結果がお客様のサービスにどう影響しているか判断するにはさらにもう1段階視点を上げた"サービス視点での監視"が必要です。フリュー様のサービスはスピードが命ですから、私たちもサービス開始や変更後の運用フェーズで品質をどれだけ高められるかを常に意識することが大事だと思っています」と説明する。

データセンター事業部 京都第1運用課 グループ長 引地 潤

また、粕谷氏は「さまざまなソーシャルゲームの提供とともにシステム運用管理の負荷が増してきます。KCCSが運用・監視を担うことで、私たちは開発に専念できます」とソフトウェア開発部の思いを代弁する。

クラウドを含め、場所を選ばずITインフラを適材適所で選択していく中で、ITインフラをどう有機的に結びつけ、リソースを有効活用するか、そして同時に運用品質を確保し管理性を高めていくか、課題にあげる企業は多い。

フリュー株式会社 ソフトウェア開発部 粕谷 大輔氏

KCCSは、クラウドとオンプレミス環境の統合管理を含めたワンストップのサポートを通じ、今後もフリューのビジネスに貢献していく。

運用監視イメージ

取材時期:2012年12月
掲載日:2013年2月26日

掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。