2018年02月27日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
中西 利明

セレンディピティ【serendipity】という言葉をご存知でしょうか?アメリカの映画や歌の題名、書籍の題名などにもちょくちょく出てきていますので、意味は知らなくとも聞かれたことはあると思います。辞書によると「思いがけないものを発見する能力。特に、科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときなどに使われる。」とあります。ノーベル賞を受賞した科学者でなくとも、ちょっとしたこのような経験は誰にでもあると思います。

そのときのことを思い浮かべるとどうでしょうか。何もしたいことがなかったり、直面している困難や課題がないときでしたか?そうではなく、ずっと何かをしたいと強い願望があったり、困難に直面して解決策を考え続けているときに、ふとしたことでその解決策やアイデアが浮かんだのではないでしょうか。

私にもそのような経験があります。今から20年ほど前、私は初期のPHSの開発をしていたのですが、先行する携帯電話と差別化できるいい機能がなく、大きな壁にあたっていました。そのような時、客先との打合せの帰りに駅のホームで携帯電話の音が聞きづらく、何度も音量スイッチを上げ、大声で話している人がいました。このとき、駅など周囲がうるさい屋外では自動的に音量が大きくなり、静かな屋内では周りに迷惑とならないよう自動的に音量が絞れればいいなあと思ったのです。でもまだ当時はGPSなど場所の区別ができる機能などは普及していません。そのときにひらめいたのです。携帯電話では屋内と屋外の区別はつかないが、PHSなら家ではコードレス電話として使うので屋内とわかるし、外では公衆モードして使うので屋外と分かるので、区別はできるということでした。小さな機能ですがこのひらめきから屋内と屋外では設定音量を変えることを特徴としたPHSを開発することができました。

このような強い願望を持ち続けていたからこそ、何気ない出来事や出会った人がチャンスをもたらしてくれるのです。このことを京セラ名誉会長 稲盛和夫は物事を成功に導くためには「潜在意識にまで透徹する強い持続した願望をもつ」ことが大事であると述べています。つまり、強い持続した願望は潜在意識にまで伝わり、その潜在意識がチャンスを見つけてくれるのです。セレンディピティは潜在意識が実現しているともいえます。

さて、当社のアメーバ経営は会社を小集団、アメーバに分け、それぞれのアメーバのリーダーが経営を行っていく経営手法です。小集団だからこそリーダーやメンバーはアメーバを発展させていくために強い願望や課題意識を持ちます。その集合体が会社を構成しているのです。

一部の経営層がいくら会社発展のために強い願望を持っていても、会社を構成している社員がそう思わなくては、会社発展は限定的でしょう。社員全員が強い願望を持続し、潜在意識を働かせて実現する全員参加経営こそ全従業員の幸せと会社発展につながるアメーバ経営の目指すところなのです。

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