「道徳」と「経済」の一致を組織的に実現するアメーバ経営

2018年02月05日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
黒瀬 善仁

皆様におかれましては、志新たに1年のスタートを切られたことと思います。今年も、アメーバ経営を通じて皆様の経営のご支援をして参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

一橋大学の田中一弘先生は、「フィロソフィに基づくアメーバ経営は、渋沢栄一の『道徳経済合一説』の組織的実践と言える」と著書で論じておられます。

「道徳なくして経済なし」=道徳が欠けていたならば、いかに経済上の発展があっても必ず争いが起き、経済は破綻する。

これは、経済社会全体だけでなく、会社間、社内の部門間でも同様です。アメーバ経営は、社内の現場にリアルな市場を生み出し、従業員の経営者感覚を養います。業績向上のため、道徳を欠いた振る舞いが生ずる危険があります。だからこそ、従業員に道徳的規範を求めるフィロソフィが不可欠なのです。

「経済なくして道徳なし」=単に道徳とばかり言って経済を無視した道徳であったのでは、その志は立派でも、世を済(たす)け、民を救うことができない。言い換えれば、全従業員の物心両面の幸福は追求できない。

一般には、両者をトレードオフの関係で捉え、両者のバランスを取ろうとする考え方が多くあります。しかし、渋沢栄一は、「道徳と経済は、一致せねばならない」と主張します。そして、「この『一致』は自然にできることではなく、『一致』を図る人に『十分な覚悟』と『平素の用心』がなければならない」と述べています。『一致』させるためには、一致を図る、強い意志と能力と仕組みが必要と田中先生は述べておられます。「強い意志」は、経営理念・フィロソフィが何度も繰り返し問われることで、従業員の心の中に志として打ち立てられます。

アメーバ経営は、ガラス張り経営によって従業員を守りつつ、目標達成とフィロソフィの二律背反の葛藤を通じて、従業員の心と経営力を鍛え上げる「仕組み」となっています。フィロソフィの理解とアメーバ経営の実践の繰り返しが、道徳と経済を合一させる能力を育む実践的な取り組みといえます。

そして、このような経営環境が構築され、日常の経営活動そのものが従業員の心と力を育てる修養道場となっているところに、アメーバ経営のもう一つの意味があると考えております。

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