全社一丸となって目標達成に向かう組織づくりへの挑戦

2017年08月31日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
白川 勝也

本コラムでは、厳しい環境下でも全員参加で売上最大、経費最小を実践し、採算向上を実現している企業様の事例をご紹介します。

A社様は工業製品のメーカーであり、大手の下請けとして事業を展開されています。元々、受注活動を担うのはトップのみであったため、アメーバ経営を取り入れたタイミングで営業部を新設し、受注拡大を担う組織としてスタートしました。しかし、当初は積極的な活動ができず、引き合いのあった案件にのみ対応するといった消極的な状態でした。

月日は流れ、現状では製造部の各リーダーがマスタープランを見据えながら、営業部と見込み案件の発掘を検討しています。営業部はリーダー1名、メンバー2名の小さな組織ですが、製造部からの積極的なアプローチに対して、フル回転で活動し、その結果、営業部という組織が形になりつつあります。A社様のトップは「営業部を立ち上げて本当に良かった。待ちの姿勢が染みついていたが、今では自ら稼ぎを求めて行動を起こす社員が増えた」と、常々仰っておられます。

また、リーダーが日々の伝票やメンバーの勤務状況に目を通しており、「最近、表面処理の外注費が高くなってない?」、「なんで不良がこんなに発生してるんや!」というような会話が一気に増えています。先日の部門会議でも「前工程のチームから仕掛品が予定通りに来ない。シフトを組んで待っているのに時間が無駄になる」と、具体的な課題が検討されました。

このように、製販が一体となって受注拡大と採算向上を目指しておられますが、コンパでの決意表明は感動ものです。目標を成し遂げた嬉し涙、力を発揮しきれなかった悔し涙が毎回、体験談とともに披露され、称賛の声があがります。そして、このようなコンパを重ねるたびに、仲良し集団がその良い文化を保ちながら、戦う集団へと確実に成長されていると実感しています。

このようなA社様の事例は、トップが掲げたビジョンと目標を全社員が共有し、役割と責任が明確になった組織がベースにあるからこそ成し得ていると考えます。もちろん、採算向上における課題をトップとリーダーが共有し、改善効果を狙ってアメーバ経営を実践していることは言うまでもありません。

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