2017年03月31日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
松永 一博

最近の導入企業様では、多店舗展開されている小売業の企業様が増えています。店舗でのアメーバ経営の導入では、特に次の4つのポイントが重要になってきます。

  • 予定を全員で共有し、接客数、お勧め数などのKPI目標を含め、各個人目標に落とし込む
  • 毎日、その日の目標を明確にし、全員で達成を目指し確認を行う
  • ミーティングの開催(店長が自らの思いを話す場を作る)
  • 成功事例の共有

これらのことを実施している店舗とできていない店舗では、運用数か月で大きな差が生まれます。「メンバーを一堂に集めることが難しい」とか、「メンバーのスキルが足りないので目標の設定が難しい」など、できない理由を盾に実践しない店舗では効率も悪く、売り上げも上がらない上に、人の入れ替わりが激しいなど、負の循環に陥っているケースも多く見られます。

特に小売店舗では人的な要素が業績、特に売り上げへの関与が大きいため、全員参加の有無、リーダーの役割発揮の重要性が高くなります。しかし、全員参加の経営は何も小売店舗であるから重要ということではありません。私は組織の風土はそこに集う人々の価値観や判断基準の総和であると思っています。つまり、そこで働く人達がどのような「思い」で働いているかが組織の風土を決めているということです。

アメーバ経営を導入される小売企業様が、これまで何もやっていなかったのかといえば、決してそうではありません。経営方針として新規顧客の獲得数、リピート率、客単価UPなど、多くのKPIが設定され目標管理が実施されてきました。しかしそれは上意下達のトップダウン型であり、ノルマ化して徹底を迫る手法です。店長などのマネージャーは、ある程度責任感がありますから、なんとかしたいと思うのですが、店舗スタッフの皆さんはやらされ感があり、やれと言われたことをやっていれば成果が出なくても自分たちの責任ではないと考え、"店長は会社側の人間"と映れば、店長と店舗スタッフには壁が生まれます。そうなると店長は厳しいことが言えなくなるか、一方的に指示を出すことになり、先に示した負の循環に陥るのです。

では、何が違うのでしょうか。月並みではありますが、大事なのは「心を通わせる」ということです。であればこそ先に示した、ミーティングをきちんと開催することが重要なのです。しかし、当然のことですが、ミーティングは開催することが目的ではありません。ミーティングの中で、リーダーが経営理念に根ざしたビジョンを語り、心を通わせる時間を作る必要があります。経営理念に根ざすことで、なぜこのお店で働いてみようと思ったのか、何がやりたかったのかを思い起こすことができ、自主性が芽生えます。

この様なことを実践される店長自身がその変化、違いに気付きます。指示してやらせるのではなく、スタッフ自身がチームのために自ら目標達成したいと思い、動く。特にシフトで働く店舗では、部門ミーティングの開催は難しいわけですが、逆に、心を通わせるためのコミュニケーションが重要な職場でもあるわけです。

これらのことは、決して小売業に限ったことではなく、部門ミーティングの実施が難しい職場はいろいろな業種にも存在します。しかしながら、全員参加経営を実現するためには、リーダーが自らの言葉で自部門の経営を語り、経営理念の理解と実践状況をお互いに確認しあうことで、心を通わせることは絶対に必要です。全員参加経営に近づく程、組織は活性化し成果を生み出します。是非、部門ミーティングを、思いを話し共有する場として、実施してほしいと思います。冒頭記載した4つのポイントについては、特に小売店舗形態における全員参加経営実現の要諦ですが、小売業以外の企業様においても参考にしていただける内容だと思います。

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