若い時から採算を見ながら考える経験の積み重ねが重要

2017年03月06日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
堀 直樹

昨年はある部門を新規事業のひとつの採算部門としました。4月に新入社員を1名迎え私を含め2名の組織です。私は他の部門も兼務しているので、その組織(アメーバ)の正式な人員はその新入社員1名です。

当社はアメーバ経営を実践しており、新入社員であるAさんは、6月から私と相談しながらこの部門の月次の採算予定や採算実績を作成しています。月次ベースで年間計画も策定していますから、毎月、Aさん自身、年間計画を達成するためにはどうしたらよいかを考え予定を組み、その予定をどうしたら達成できるかを考え日々活動をしています。

新規事業ですので、毎月の収入が月初にすべて見えている訳ではありません。Aさんはどうしたら注文が取れるかを意識して、依頼が来たらスピーディに対処し注文につなげるようにします。単価アップの取り組みや提供しているサービス内容についても提案してきます。また、まだ赤字の部門で経費もかけられませんので、コストを抑えるべくお客様に配布する資料のコピー枚数をいかに少なくできるか、外部に依頼する仕事に関する費用をいかに少なくできるかを考え実行しています。新たに注文が来たり高い単価の依頼が来たら喜び、コピー枚数が減る方法を考えだし、外部に依頼する費用を交渉して下げることに喜びを感じながら取り組んでいます。

先日も、予定検討時に若干の赤字になる計画を手に私に相談にきました。

私「もう少しで黒字の計画が組めるのでは?」
Aさん「確かにそうですね」
私「まず、どうしたら黒字にできるかを考えて計画を組むべきでは? 経費を見直してみたら?」
Aさん「経費は検討しましたがもう削減できそうにありません」
私「通常単価のものを一つ単価の高いものにする努力をして収入を多くするのはどうか」
Aさん「それなら黒字にできます。単価の高い商品を勧めるのは工夫すればできるのでチャレンジします」

こうした会話を通じて、Aさんは自分がすべきことを改めて考えます。周りの部署を見ると、同じように新入社員が実績採算表を作り、自部門の業績を通じていろいろと考えてくれているようです。彼らが、こうした意識もって仕事にあたってくれていることを、私自身、大変頼もしく感じています。

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