2016年07月15日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
猪本 宏司

人工知能の研究が進んでいます。人間と対話するロボットの普及、プロ棋士を破る囲碁AIの出現。ロボットやAIは着実に私たちの生活の中に溶け込み始めています。

AIが人間の仕事を奪うのでは?ビジネスの世界でもこうした懸念が示され始めました。コンピュータが仕事の指示をする時代が到来するかもしれません。『ガンバラナイト、ダメデス』、コンピュータが人間を励ます未来図を想像すると、少し複雑な心境となるのは、私だけではないのではないでしょうか。組織運営は、理論、理屈だけでは成り立たない。そういう思いがあって、喜ばしいはずの科学技術の発展が、何か引っかかるかもしれません。

同じような引っかかりは、現在の会社の中、組織の中でも起きています。例えば、弁は立つけれども機械的な指示をするリーダーが率いる職場と、抜け漏れはあるが情熱的なリーダーが率いる職場があったとします。前者の職場でリーダーが「ダメだという時が仕事の始まりだ」とフィロソフィを口にしても、メンバーは冷めたままかもしれません。

一方、後者の職場で同じ発言がリーダーからなされると、納得感をもって受け入れられる。そういうことはよくあります。どちらのパフォーマンスが高いかは、一概には言えません。ただ、素晴らしい言葉であっても、それを発する人の信念や心もち、熱意が違えば、与える影響も変わるということは間違いがないでしょう。これが組織運営の難しいところであり、面白いところだと思います。

京セラ名誉会長 稲盛和夫は、リーダーシップには「理」と「情」の両方が必要だと言います。仕事には当然論理が求められます。しかし、「情」の味つけがなければ人はついてこない。「理」と「情」が綾を織りなすような判断、指示をする。そして率先垂範する。大変難しいことですが、これこそリーダーシップの妙だと言います。十数年前には考えられなかったほど、大量のデータが収集できる時代となりました。

今後のAIの進展はさらなる「理」の飛躍をもたらすでしょう。そうした環境下で、いかにして私たちは組織のパフォーマンスを高めていくか。人間心理を汲み取り、チームの力を結集していく力が、ますます重要になっていくものと考えます。

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