同じ時間をどう過ごし、どう価値を高めるか
2015年10月30日
京セラコミュニケーションシステム株式会社
平井 正昭
「生産性を高めよ」。日常、このフレーズはよく使う言葉です。「私は生産性を○○%向上します」と表明する人もおられます。このように数値化して目標を掲げることは、素晴らしいことであり、効果的な指標になります。
そこで考えたいのが、「生産性」とはどのようなことを意味するのか、ということです。一般的には「仕事のスピードをあげること」、また「仕事内容の密度を上げること」など、効率を高めるという意味で捉えられますが、もう一歩考える必要があるのが、「その先にあるもの」です。
それは必ずしも「生産性」=「利益」とはならないからです。たとえば、仕事が早くなったということは、残りの時間で新たな価値を生み出さなければ、結果的な付加価値は変わりません。つまり、ストレートに言えば、新たな需要(受注、売上)が必要なのです。アメーバ経営における時間当り採算とは、1時間当りにその集団が生み出す付加価値(人件費を含めた儲け)を意味します。
そのためにチームごとに「売上最大」「経費最小」「時間コントロール」という要素を自ら考え、活動にあたるのです。その集積されたものが「時間当り付加価値」です。
単純なことですが、どのような仕事をしているのかということだけではなく、同じ1時間をどのように過ごし、価値を生み出すのかを意味するといっても過言ではありません。
このように明確な目的意識をもって、生産性向上の意味を職場のメンバーが理解して取り組むことで「全員で稼ぐ組織」、すなわち強いチームをつくり上げていくことにつながるのではないでしょうか。それがアメーバ経営の神髄なのです。
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