言葉~考え方を伝えることの大切さについて~

2014年03月27日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
澁谷 和憲

日本メーカーの生産額に占める海外生産の割合が2割をこえたそうです(内閣府調査、2012年度実績)。アメーバ経営も海外の法人に需要があることが最近の我々の市場調査でわかってきました。海外法人のみならず、日本企業の外国法人にも需要がありそうです。

アメーバ経営の運用は、日本での経営であれ、海外での経営であれ、リーダーの心のあり方が大切な経営ですから、その心の働かせ方が通じ合うように、私たちコンサルタントが海外でアメーバ経営の運用に取り組む際には、特に言葉の壁は必ず乗り越えなくてはいけません。

京セラ名誉会長 稲盛和夫は、過去のご自身の講演で「必ず一流の通訳を介して言葉を伝える」と言っています。ちょっとでもいい加減な通訳をした通訳さんには二度と頼まないそうです。同じ日本語を日本人が解釈するのでも、人によって言葉の受け止め方はさまざまなので、海外で相手に自分の気持ちを伝える場合にはなおさらだと。

以前、私はある会社のプロジェクトで、海外のプロジェクトメンバー(つまり外国人)にアメーバ経営における「予定」の概念を伝えようとしていました。その場に同席されていた通訳さんは、予定をPLAN(プラン)と訳して途中でとまり、私に質問をしてきました。PLAN(プラン)ではしっくりと来なかったようです。Target(ターゲット)と訳しなおし、これでよいか、と私に聞いてきました。ターゲットにどのようなニュアンスが含まれているか、聞き手がどのように解釈するかについての説明を聞いて、なるほど、能動的でピッタリと感心したことがあります。ですから、PDCAサイクルならぬTDCAサイクルになりました。

聞けば、その通訳さんは、海外の大使館から声のかかる方だそうで、日頃からアメーバ経営を学んでいらっしゃるその会社の社長様は、ご自身も英語は話せますが、その日は大事な日であると考え、一流の通訳さんを用意されたとのことです。

言葉は考えを変え、考えは行動を変え、行動は結果を変える。ゆえに海外においても、アメーバ経営を運用する場合には、言葉の用い方に注意を払うことが大事だと思います。

掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。