2014年02月28日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
田中 智也

先日、アメーバ経営の導入がスタートした「牧場」に訪問し、日頃、牧場で和牛の飼育をされている従業員の方々が実施している部門ミーティングに参加させていただきました。

こちらの牧場では、牛舎ごとの採算管理がスタートし、部門ミーティングでは、牛舎別に前月実績(予定と実績との差異)の報告、当月予定の報告が行われました。

部門ミーティングで配布された牛舎別の予実差異明細表を見ると、牛舎によって、採算の良し悪しがくっきりと分かれる結果となりました。そして意外にも、10年以上のベテランの方々が担当している牛舎よりも、飼育経験の浅い方が担当している牛舎の方が、重量や肉質が良く、採算数字が高くなっていることがわかりました。

部門ミーティングでは、各飼育担当から、この牛舎別の予実差異の数字をベースに、和牛の肉質や重量が悪かった原因について報告がありましたが、「セリ落とした子牛の体質が元々弱かった」「もっと良い子牛を導入してほしい」といった他責(他人の責任)の反省が多く出ていたのですが、その中に、ご自身の飼育方法に対する課題など「自責」(自分の責任)の反省をされている方がいました。その方が、経験が浅い飼育担当者でした。その時、「自責」の考え方で、経験の差を埋め、重量や肉質が良い和牛を育成されているのだと確信しました。

「他責」で捉えたものは、すべて改善不可能に思えてきます。逆に、「自責」の考え方は、自分が渦の中心になって取り組めばすべての事象を改善可能にする魔法の考え方です。それは、和牛を飼育されている牧場であっても同じことであり、「数字で実力・実態を知る」「自責で原因分析を行う」ということを、従業員一人ひとりが全員参加で継続して取り組めば、永続的に成長発展することができるのだと思います。

皆様、今一度、自責の予実差異分析が徹底できているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

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