2013年05月31日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
松永 一博

いわゆるアベノミクス効果によって前年度中に株価は23%も値上がりしました。デフレ脱却、経済好転への期待感が先行した株高とも言われていますが、前日比1,000円以上値下がりする日もあり、株式市場は不安定な面を見せています。一部の大企業では、円安の影響もあり確かに業績が回復基調にあるようです。一方で、仕入れ高騰を販売価格に転嫁できない中小企業にとっては、厳しい環境になっているとも言われています。円安という為替差益によってのみ業績が好転しているのであれば、給与の上昇や積極的な設備投資にはつながらず、景気回復が本物と言える状態にはないのかもしれません。しかしながら、現在の景況は明らかに転換点を迎えたと言ってもいいのではないかと思います。

さて、このような景気の好転期に際し、どう対応すべきなのでしょうか。昨今では、既に不動産バブルが再来しているともささやかれ、私の周りにもにわか資産運用アドバイザーが増えたようにも思います。個人資産の運用についてはさておき、企業経営の場合では、景気に踊らされるということのなきよう、浮利を追わず、常に先を見、本質を追い求めていただきたいと思います。厳しい環境下で経費削減に努めたのは、景気が良くなった時に高収益企業になるためだったはずです。好景気となっても、売上最大、経費最小を追求し、経営者自身も経営理念を社員に説くことで初心を忘れず、経営者も社員も全員参加で次の世代に最高のバトンタッチができる経営を目指していただきたいと思います。

そのためにも、経営理念浸透と人格向上を目的とした教育、人材育成に力を注ぎ、経営に対するよい価値観を経営理念や行動規範(フィロソフィ)という形で共有したいものです。

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