2012年04月27日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
川村 真吾

営業としてお客様を訪問していますと、「値引き」に関する相談をいただく機会があります。取引先から値引きを要求され、仕方なく応じてしまうことは営業なら誰もが一度は経験される悩みではないでしょうか。

私は部下や後輩の営業マンに、「注文が取れる営業が良い営業ではない。クレーム対応ができる営業こそ、一人前の営業マンである」と指導しています。クレームを恐れずに、お客様からご意見を頂いた際は、良くぞ言ってくれました、ありがとうございます、そんな心持ちで、お客様の意見を真摯にお聞きすべきだと私は考えています。その上で重要になる要素が、「商品に対する自信」です。値引きを要求された際、それに応じた価格で売るのは簡単ですが、大切なことは、なぜお客様が値引きを要求されたのかを考えることではないかと思います。値引きされるということは、つまり費用対効果をお客様が納得されていないということを示していますが、営業のスタンスとして大切なことは、商品に自信を持つということです。自信があれば、値引きやクレームに臆することなく、正々堂々とお客様に商品やサービスをお勧めすることができるはずです。

「自分の行なう販売がなければ社会は運転しないという自信を持て、そしてそれだけに大なる責任を感ぜよ」これは松下幸之助氏の言葉です。営業に限らず言えることですが、商談に失敗する営業マンには共通点があり、売れないのは商品が良くないからだ、環境が良くないだからだという具合に「自分以外の何かに責任を転嫁している」傾向があるように思います。不景気の時や成績が良くない時に、そのような気持ちが芽生えがちですが、それを払拭し、強い信念と商品に対する自信を持ってお客様と向かい合うことができる人こそ、真の営業マンではないかと思います。

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