2011年04月26日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
天畠 慎司

このたびの東日本大震災により、被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。1か月以上経過した今、情報が公開されるにつれて益々事実を実感し、日夜報道されるニュースに心を痛めずにはおれません。

スポーツを応援するかのごとく「がんばれニッポン!」ではなく、私にもできることをする意味で「がんばろう日本!」と思います。被災地の1日も早い復興を心よりお祈りいたします。

ここ数年、就職戦線は大変厳しくなっているとのこと。昨年末時点では、30%以上の学生の就職先が決まっていないとの報道もありました。一方、先の見えにくい経営環境においては思い切った採用ができない、あるいは大量採用から方向転換し、基準を高く設けて精鋭採用をという企業側の心理も働いているのかもしれません。

そのような中、幸いにも弊社では、今年も新入社員を迎えることができました。つい先日までは新入社員だった彼も彼女も、後輩ができるとなぜか先輩顔になり、少し頼もしく見えてくるのは不思議なものです。短いようでも1年間の成長は、こんなにもあるものかと実感するのが、毎年の4月です。

同時に、この時期に思うことがあります。それは、迎え入れた先輩として、上司として、この子を幸せにしてやらなければならないと気を引き締めることです。

私は、新入社員としてどのような会社に就職したのかは、本人の一生を左右するといっても過言ではないと思っています。それは、何の業務を行っているのかということよりも、どういう考えをもった人や組織から指導されたのかという経験が、社会人として生きていく基礎の基礎になると思うからです。

集合研修も終わり各部署に配属されてしまうと、配属先の職場の上司や先輩の影響を大きく受けることは間違いありません。だからこそ、より上位の幹部といわれる人たちは、せっかく縁あって我が社に入社してくれた人が、配属先の運・不運によって人生が左右されてしまわないように、冷静に全体を見回し、随所で熱く語る時間を惜しんではならないと思います。

私たちは時として、新入社員の育成について、どうするのかという「やり方」、つまりノウハウに注力しがちです。もちろんそれも重要です。しかし今、どのような気持ちで仕事に向かい合えばよいのか、という「あり方」や、どのような夢やビジョンを掲げるのかという「生き方」、つまり志、考え方、心の持ち方についての会話を後回しにしているとすれば、それは育成としては不十分だと思います。部門責任者においても、このような会社としての気持ちを共有できるような教育を行うことも必要かもしれません。私たちの会社に預かった以上、素晴らしい人生を歩ませる責任があると「覚悟」し、気概をもって取り組みたいものです。

だからこそ、私自身の人間性、人格を高め、志を語り合わねばならないと思うのが、私の毎年の4月の決意です。

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