株式会社山口工務店稲盛和夫経営講話全集
「フィロソフィの共有」。この一点にすべてを捧げる
真っ正直で曲がったことを許さない。それだけに不器用・・・。私の経営は、母親ゆずりの性格がそのまま現れたものでした。
業界でなかば常識であった談合に参加せず、経理では一円のごまかしも認めない。それゆえに周囲とのあつれきも絶えませんでした。自分で選んだ道ながら、「ここまでやるべきなのか」と、常に心は葛藤していました。だから、迷いや恐怖心を振り払い、平常心を保とうと精神修養に打ち込みました。般若心経を唱え、座禅を組んで瞑想し、水行を重ねる。中村天風先生の天風会へも入会し、毎朝の行修を続けていきました。そして、稲盛塾長、盛和塾と出逢ったのです。稲盛塾長の生の声、生の表情、生の態度。塾長と同じ場にいて、同じ空気に触れるだけで、その霊気を全身で感じとることができました。私にとって塾長例会とツアーは、最高の学びの場となっています。
盛和塾での一番の教えは、私自身が経営理念と経営哲学をもつことでした。そして、それを社員と共有することでした。
『社員を大切にしてください。中小零細企業は従業員が宝です。』
この塾長の言葉が、私の経営、私の人生を変えたのです。人生負けたくないという思いで必死に努力してきた私の経営。その努力の結果をどこに求めるのか、答えを示していただきました。人に勝つために経営するのではない。社員のために努力すること。そしてみんなで働くよろこびを分かち合う。それが経営の目的であり、私の使命なのだと気づかせていただきました。それ以来、私の経営は社員とフィロソフィを共有することが中心です。機関誌のバックナンバーをみんなで読み、私が解説し、全員で血肉化に努めています。
この取り組みの助けとなったが、稲盛塾長の経営講話CDでした。三回、四回と読書会を繰り返したあと、最後に稲盛塾長の「京セラフィロソフィシリーズ」を全員で拝聴しています。CDを通じて稲盛塾長の肉声に触れてもらう。そこから「伝わる」ものが確かにあるのです。それは、私が塾長例会やツアーで感じ取っている稲盛塾長の霊気と同じものかもしれません。もちろん、私自身も個人でCDを聴かせていただいています。自宅でじっくりと瞑想するように聴き入り、自分の中身、自分の潜在意識をすべて入れ替えようと努力しています。一番好きなのは、フィロソフィの「宇宙の意思と調和する心」です。
この世にはすべてのものを進化発展させる力がある。その大宇宙の力に守られているという安心感に包まれます。フィロソフィをたずさえ、誰にも負けない努力で自分の道を切り拓き、進んでいきます。
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※盛和塾...経営の王道を学ぶ起業家のための経営塾
稲盛和夫経営講話全集(7)「京セラフィロソフィⅠ」
- 1巻 経営の心①
- 2巻 経営の心②
- 3巻 心を高める
- 4巻 よりよい仕事をする①
- 5巻 よりよい仕事をする②
- 6巻 よりよい仕事をする③
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