株式会社栗山米菓アメーバ経営コンサルティング

心の座標軸を持つ―社会のためになる100年企業を目指して―

「ばかうけ」「星たべよ」などのヒット商品を有する栗山米菓。
同社の業績が好調です。市場規模が横ばいで推移する中、着実に売上を拡大し、利益率は業界トップクラスを堅持。秘訣は、トップの意思決定の早さと、決めたことを徹底してやり切る力にあるようです。
会社の発展は、社員の成長とともにあると考える栗山社長。1947年の創業から67年を経て、100周年に向かってどう経営するのかをうかがいます。

株式会社栗山米菓
代表取締役社長
栗山 敏昭 氏

気づいたことを、間髪入れずに即実行

経営とは戦いの場、待ったなしの世界です。先手必勝、気づいたことをどれだけ早く実行できるかです。
アメーバ経営のスタートは2013年4月でした。前年の12月に導入を決め、4ヵ月で導入プロジェクトを完了しました。その1年後、アメーバ経営に合わせた人事制度も導入しました。
同じく13年に設備投資も決定しました。本社近くの用地を購入し、5年で50億の投資です。13年に物流センターを竣工。新潟県内2工場の商品を集約し、全国への一括発送を実現しています。

現在は新工場を建設中で、主力商品の「ばかうけ」の生産を新工場に集約する構想です。これが完成すれば生産能力は5割増となります。市場はせいぜい横ばい、あるいは縮小傾向にありますから、思い切った投資かもしれません。しかし、これも決めました。
私は、経営は「気づき」だと思っています。経営をよくしたい、社員に幸せになってほしい。そうした思いを強く持続して抱いていると、こうすればよい、という気づきがあるのです。それはささいな会話や、ふとした出来事から得られます。その気づきを大切にして、気づいた時は間髪入れずに実行してきました。
アメーバ経営も人事制度も、設備投資もすべて気づきです。さかのぼれば盛和塾や倫理研究所の教えを取り入れたのも、経営をよくしていこうと思う中からの気づきでした。
気づいた時こそが一番のチャンスだと信じています。

経営への思い、社員への思いは必ず通じる

私の経営におけるはじめの気づきは、早朝に起床する"朝起き"の推奨と早朝勉強会の実施でした。社長になる前、専務時代の話です。大きな赤字決算に陥った年に、当時から学んでいた盛和塾と倫理研究所の考えを取り入れたのです。その後、朝礼は自社のアレンジを加え、フィロソフィの輪読や社歌の斉唱を盛り込んでいます。
人間の一日の最初のわがままは、起きようと思った時に起きないことです。もうちょっと寝ていたいというわがまま、気ままを改めれば、心が素直になります。そうすれば、家族との関係、周囲との関係がよくなって、仕事もうまくいく。赤字から会社を立ち直らせるためにどうするか思い悩んでいる時に、気づきを得て取り入れたのです。
アメーバ経営を導入したのも気づきからです。直接のきっかけは、ある知人からの一言です。「え、栗山さん、まだアメーバ経営されてなかったんですか?」

ずっとアメーバ経営のことは考えていました。考えている時に、ふっといただく一言が決め手となる。そして即実行で徹底的にやり切っています。社員には「途中で止めるという選択肢はない」と宣言し、退路を断って臨んでいます。

こうしたことを会社でやろうとすると、どうしても抵抗があります。笑顔で社歌を歌おうと言えば、「なんで朝から笑顔でなきゃいけないんですか」と思う人がいるのです。実は、そういう人は素直さがなくなっているので伸びないのですが、何にしても抵抗がある。
そこで気をつけなければならないのは、抵抗があるという事実よりも、自分自身が心の中で、社員に抵抗されるのではないかと恐れてしまうことだと思っています。
抵抗されると思っているから、本当に抵抗があった時に過剰に反応してしまう。自分自身ができないかもしれないと思っているから、本当にできなくなってしまう。この一線を乗り越えなければなりません。
そのためには、これはよい仕事をしてもらうために絶対に必要なのだと自分で信じて疑わないことです。そして、社員の幸せになるのだと確信することです。その思いが強くなれば、躊躇はなくなります。
実際、強く思って取り組めば、最後は社員から喜ばれます。はじめはいろいろあるでしょうが、やがて皆が幸せを実感して、よかったと言ってくれるようになる。当社には、朝起きで人間関係がよくなったという話や、アメーバ経営で仕事にやりがいができたという話は、いくらでもあります。そして、その結果は当然仕事にもよい影響を与えています。
面白いもので、仕事で結果を残している人は、行動や考え方もよい。これはもう見事に関係しています。朝礼もアメーバ経営も社員の成長に役立ち、経営をよくしているのです。多少は強引にでも、気づきを実行することが大切だと思っています。

アメーバ経営は人材育成のシステム

アメーバ経営については、特にリーダーの成長という点で大きな変化をもたらしました。
それまでも当社は、部門別の採算管理の仕組みをつくって日次決算を行っていました。ですから、自分たちはある程度できていると思っていたのですが、アメーバ経営はやはり違う。特に思うのは、アメーバ経営は人材を育成する経営だということです。
はじめに、数字を把握するというステップがありました。一人ひとりが自分の担当している数字の根拠を知る。売上構成はどうなっているのか、経費はどういう構成なのかをつかむのです。

それまでも部門別の数字はあり、見てはいましたが、本当に原因を究明するところまではできていませんでした。誰が責任を持つべき数字なのか曖昧だったり、組織の役割がはっきりしていなかったこともあったと思います。これがアメーバ経営流の人材育成の第一歩でした。
そうして数字が把握できるようになると、次はその数字をどう変えていくのかがテーマとなりました。これが2つ目の成長につながっています。

その中心がリーダーです。リーダーが自分の部門の実績を踏まえて高い目標を立て、それを達成するためにどうするかを考え、具体的な指示を出そうとしています。
リーダーが数字を把握せず、単に売上を上げろ、経費を使うなというだけでは、皆が勝手に動くだけです。それでは個人の問題点も把握できず、「とにかく一生懸命やりました。そうしたら、こういう結果になりました」という活動にとどまってしまいます。今は、そこからギアが上がっています。

数字を知り、そこからどうすべきか考える姿勢が芽生えたことは大きな変化です。私は、かねてから仕事は創造的であるべきだと思っていましたが、まさに創造的な仕事につながっていると感じます。発想を変え、ドラスティックに数字を変えようとする取り組みは、経営者感覚の芽生えでもあります。
こうしたリーダーが集まる経営会議は"人材育成会議"となりました。参加者が自分の数字を持ち寄って、どのように創造的な仕事をしてきたかを発表し合い、全社の状態を皆で把握する場になっています。
アメーバ経営と連動して見直した新しい人事制度も、相乗効果を発揮しています。「行動指針」と呼ぶ行動面での評価項目をつくったのですが、これが社員にとって、自分たちはどのような行動を取るべきかを考えるきっかけとなりました。

例えば「常に創造的な仕事をする」や「有言実行で事にあたる」といった項目ごとに、どのような水準を求められているのかを示しています。これがさらなる現場の努力を促しています。
私は、アメーバ経営は、一生懸命に働くことが幸せだと感じられる経営だと思います。それなりに頑張って、それなりに給料がもらえればよいという価値観から、自分自身の能力を最大限に発揮して、それがうまくいって幸せだと感じられる価値観へと世界が変わりました。これは大きな気づきだったと思います。

100年企業に向けて、自分自身を磨き続けたい

栗山米菓は創業から67年目を迎えます。今、私たちの経営の中心に据えられるのは、60周年を機にまとめた「栗山米菓の目的・意義」です。

Befco栗山米菓の目的・意義

100年に向かい
社会の為になる

この言葉には、まず、お客様に私たちの商品・サービスで喜んでいただきたいという思いを込めています。米菓メーカーとして商品とサービスにこだわり、本業を通じて売上を伸ばそうという決意です。

次に、より多くの収益を確保して、より多くの納税を果たすという思いを込めました。目指す利益率は10%、業界でもトップクラスの水準です。そして3点目に雇用の創出をうたいました。我々は地方で展開していますから、特に雇用の確保は意味があると考えています。
この3つを同時に叶えることが、我々にとっての"社会の為になる"ことだと定義しました。去年よりも今年、今年よりも来年がよくなって100周年に向かっていきたい。そして、社員に物心共々豊かであってほしい。これが栗山米菓の目的・意義であり、私の経営の目指すところです。
100年企業に向かっていく1年1年が勝負です。よい商品をつくって一生懸命に売る。これを毎年毎年繰り返し、そして経常利益率10%にこだわって、成長し続けていきます。
目下の最重要テーマは新工場の立ち上げです。米菓市場では、成熟した中で寡占化が進んでいます。流通各社の規模拡大が進み、メーカー側にも高い水準での生産体制、品質管理、経営体力が求められています。この要求に応えられるメーカーが伸びる構図が鮮明で、伸びる企業と停滞する企業がはっきり分かれています。伸びる側であり続けるために、新工場を軌道に乗せることが重要です。

そして、伸びている会社のトップは、いずれも意思が強い。さらに、社員は経営者の鏡でもあります。私自身が誰よりも成長しなければならないと強く思っています。

振り返れば37歳で社長となってから、ずいぶん多くの気づきに恵まれ、成長させていただいてきました。
幸運にも私は、社長就任1ヵ月で盛和塾の稲盛塾長から直接ご指導いただく機会に恵まれました。
そして「心の座標軸を持て」と教わりました。物事を判断する時には、その人の人格がそのまま表れる。だからきれいな心、素直な心をつくらなければならないということです。これが私の経営の原点となっています。
今、私はトップの心次第で会社はよくもなれば悪くもなると痛感しています。ですから、自分自身が傲慢になったり、人を恨んだり、朝寝坊をしてしまうことを怖いと感じます。決して手綱を緩めることなく、きれいな心をつくり、その心で気づきを得ていきたいと思います。
栗山米菓が100年企業になった時、私は経営の一線からは身を引いているでしょう。その時、今以上に栗山米菓が社会のためになる会社であってほしいと願っています。

アメーバ経営の導入時に経営管理業務を担当されてきた阿部氏と、現任者の櫛谷氏。経営管理の立場からどのように人材育成を支援してきたか語っていただきました。

経営管理インタビュー

アメーバ経営が始まったころは、実績が出ると電話が鳴りっぱなしでした。各部門から「うちの部門の電気代、なんでこんなに高いんだ」という問い合わせが入るのですね。「いや、自分で調べてください。あなたの部門の数字でしょう」と返していました。
部門を経営するという視点で、一つひとつの数字がなぜ発生したのかをつかむようにしてもらってきました。この数字はうちの責任じゃない、という意識を払しょくすることが最初の段階でした。(阿部氏)

生産管理部次長 (前・経営管理担当) 阿部 真也 氏(写真:左)
経営統括部部長代理 (経営管理担当) 櫛谷 文則 氏(写真:右)

その次は、目標をどう立てるかです。どれだけ高いマスタープラン、予定を立てることができるか。社長からは、高い目標が立てられるかどうかが経営者としての第一ポイントだと言われています。高い目標を立てて、それをやり切るということですね。時に赤字の計画が出てくることがあるのですが、これは部門に戻して、もう一回考えてくださいとお願いしています。
今後も経営会議の活性化、実績の締めの早期化などテーマはいくらでもあります。人の成長を支援する経営管理でありたいですね。(櫛谷氏)

役員インタビュー 「経営は人がすべて。人をよく見て、成長を支援する」

生産本部に着任したのは2011年の9月です。テーマは製造原価率の削減でした。当時から当社は経常利益率10%を目指していまして、これを実現するには製造原価率を下げるしかないと思っていました。
ターゲットの製造原価率は45%でしたが、なかなか達成できませんでした。50%からスタートして、大ナタを振るって47%台まで落とせたものの、そこからは足踏みが続きました。45%まで持っていくには、一人ひとりの採算意識、原価意識を高めていくしかないと思うようになった頃、栗山がアメーバ経営の導入を決断しました。

常務取締役 生産本部長 小山 俊哉 氏

すると一気に製造原価率が45%を切りました。驚きました。製造原価率を目標にしている時はできなかったのに、アメーバ経営でマスタープランを立て、生産、経費、時間のターゲットを定めたとたんに達成できたということです。売上最大、経費最小が経営の要諦と実感しました。
私自身は、ずっと人を見ることを意識してきました。リーダーと毎月1回必ず面談し、コンパで膝を突き合わせて話をします。ここで彼らの思いを聞いています。話を聞くということが大事だと思っています。

そして、コンパで決意表明をしてもらい、それをもう一回文章でまとめてもらい、有言実行につなげています。
活性化している部門はリーダーがよいですね。結果を受けて素直に反省し、PDCAのサイクルをしっかり回しています。自分の思いというものも伝えられるようになっています。
結局は、人がすべてだと思います。私の役割は、リーダーが成長できるよう、話を聞き、目標を立てて具体的に行動できるよう、導くことです。
今後の目標は、時間当りの達成です。今は2,500円台。ここから3,000円を目指します。一人ひとりの成長の結果は、時間当りに表れると思っています。

株式会社 栗山米菓

1947年新潟にて創業。本社新潟市。
「ばかうけ」「星たべよ」などのヒット商品を核に、広く米菓製造・販売を展開。
コーポレートブランドのBefcoはBeika Frontier Companyの略で、「米菓」へのこだわりが強い。
社員数690名。拠点は新潟本社、東京本社・営業本部、中条工場、新発田工場、直販のせんべい王国のほか、2013年に物流センターを竣工。現在、新鋭工場を建設中。

2015年02月24日

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