近鉄スマイルサプライ株式会社介護法人向けアメーバ経営コンサルティング

良いサービスはお客様の笑顔を生み、社員のモチベーションと利益が向上する。結果、さらに良いサービスを提供できる。

近鉄スマイルサプライ株式会社は、2000年に設立した在宅介護事業サービスを提供する近鉄スマイルと、福祉用具のレンタルや販売、住宅改修を行う近鉄スマイルサプライが2009年3月に合併し、幅広く介護事業を展開。
あやめ池(奈良市)に2ヵ所、北登美ケ丘(奈良市)、桔梗が丘(三重県名張市)の4ヵ所でケアセンターを開設し、89名の社員が在籍している。
代表取締役社長の南野 純一氏と取締役で生活サポート事業部長を務める、衣笠 隆久氏に「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」導入の経緯と、その効果を伺った。

近鉄スマイルサプライ 株式会社 代表取締役 南野 純一 氏(写真:左)
近鉄スマイルサプライ 株式会社 取締役 生活サポート事業部長 衣笠 隆久 氏(写真:右)

長年地域と関わる中で介護事業の必要性を感じた

鉄道事業を通じて長年地域と関わりを持ってきた近鉄グループ。少子高齢化などの問題から、この地域に介護サービスの必要性を感じていたと言う。
「現在ケアセンターがある地域では、住んでいる方々が高齢になってきたり、子どもが外の地域に出ていってしまい、ご夫婦だけで住んでおられるということも多く、介護のニーズがありました。介護保険がはじまるというのを機に、介護サービスを行うことが、長年地域と関わりを持ってきた企業として、1つの責任ではないかという議論が社内で高まっていきました。しかし、事業として考えていくと、経営判断としては、なかなか踏み切れない状況でした。その中で、社会福祉法人で、公益事業として運営していく方法がいいのではないかという話もありました。しかし、いろいろと比較していくと、民間の企業でも良いサービスを提供している現状がありましたので、近鉄グループとして、株式会社という事業形態が一番ふさわしいのではないかと結論づけました」(南野氏)
地域の高齢化問題や介護保険導入といった社会背景による後押しもあり、介護事業の立ち上げを一任された南野氏の考えはこうだ。
「近鉄グループの事業として行う上で、ずっと赤字が続くようでは事業として続けていく意義があるのか疑問です。良いサービスを提供していれば評価は利用者がしてくれる。利用者が増えれば売上も上がるんです。売上が増えれば利益も上がります。ただ、利益のためには手段を選ばずというのではなく、良いサービスを見合った価格で提供すれば、お客様に満足してもらえる。だから売上が多いというのは、それだけ良いサービスを提供した結果だと思っているのです」(南野氏)

「アメーバ経営」は、介護事業に有効か?

当初は、良いサービスを地域に提供していくためにも、スタッフは介護に専念してもらえる環境をつくることを考え、介護スタッフは採算や費用のことはあまり意識していなかったと言う。

「こちらが良いサービスだと思ってやっていても、本当に良いサービスかどうかを評価するのは利用者の方々です。利用者の方々が良いサービスだと感じてもらえれば、利用者の数もどんどん増えていきます。そうするとスタッフのやる気も変わりますし、自然に売上も伸びます。売上が伸びれば、さらに利用者に喜んでもらえるサービスの提供が可能になります。採算や数字を重視するということは、金儲け主義、売上至上主義と誤解されることがありますが、決してそうではないのです。良いサービスを提供しお客様に満足していただく。その結果が売上につながり、さらに良いサービスを提供するための設備投資やスタッフの教育などができるのです」(南野氏)

売上を増やそうというのは金額ではなく、利用者を増やしたいということが前提となっている。利用者を増やすために、スタッフの意識を変えなければいけない。良いサービスは無制限ではない。京セラ稲盛名誉会長の著書を読み、現場の社員が経営者感覚を持ち、リーダーを育てるという「アメーバ経営」に興味があった南野氏。アメーバ経営の有効性や成功事例に関心があるものの、導入となると、不安に思う一面もあったと言う。
「どちらかというとアメーバ経営はメーカーの経営管理手法だという認識でした。ですから、どのように介護サービスに適用できるのかという疑問がありました。しかし長年、研究も、実績も積まれているのできっとうまくいくだろうと。ただ、変動幅が大きい業態なので、はじめからあまり重箱の隅をつつくようにやるのは良くない、長い目で見ようと言っています。介護サービス事業というのは、すぐにお客様が増えるかというとそういうものではありません。3ヵ月とか半年先、あるいは1年先。目先の数字で一嬉一憂することなく、結果に対して何か原因があるのではないかと、そういうことを見て欲しいと思っています。特に現場でやっている人の勘というのは大事なことですからね」(南野氏)

打ち出された数字を素直に受け止め、改善策や目標を自らが発案するようになった

導入前に懸念していたことも、「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」を実践していく中で払拭されていったと言う。スタッフの意識が変わると成果は数値にも現れてきたからだ。
問題点にいち早く気づき、改善を積み重ねてきたことで、ここ数年間、壁となっていた"1日30人平均"という利用者数を4ヵ月連続で超えることができたケアセンターが出てきたと言う。
「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」の導入効果としては、組織の活性化とやりがいにつながることが一番だと思います。ムダをなくすということはわかりますが、介護サービス業で経費を削減するのは一番最後。食材の原価を減らしたり、スタッフの数を減らしたり、お客様の満足度に関わる部分の費用を減らすのは本当に慎重にすべきです。サービス業は経費を落とさずにコミュニケーションを高め、サービスの質を向上することが大事なのです。

デイサービスは、台風が来れば利用者は減る。寒くなると利用者は少ない。季節で利用率が下がるという固定概念がありましたが、下がるから下がりっぱなしではなく、それをどうするか創意工夫することが必要だと思います。まずは、重点項目シートを中心に目標を決めることからはじめています。会社もスマイルですからね、笑って前向きに仕事をしようと言っています」(南野氏)
結果的に、今まで意識していなかった無駄な経費をスタッフ一人ひとりが把握し意識するようになった。

座る人の高さにあわせ微妙に高さを変えた椅子

「家計簿感覚で数字が自然に入っていくようです。そして各リーダーが目標を立てて、結果を出すことで組織が活性化し、スタッフみんなのやりがいにつながっています。またリーダー会議を定期的に開催することで、他の施設のリーダーとの情報交換などコミュニケーションが活発化してきました。職場を良くする、売上が増えるということは、お客様が増えるということ。そしてそれは、顧客からの最大のお褒めの言葉だということです」(南野氏)
「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」導入により、現場主義を再認識。目標を掲げ数値を認識し、その数値にとらわれすぎず、現場ごとに柔軟に取り入れている。職場を良くすることで結果的に売上も上がることをスタッフ一人ひとりが理解し、さらに良いサービスを提供するための創意工夫を続けている。

廊下の片隅に設けられた石の道は足裏の刺激とマッサージに有効

スタッフ一人ひとりの自覚も高まる

「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」を導入後、リーダー一人ひとりの自覚は予想以上に目覚ましく、施設ごとに工夫も見られるようになった。
「施設は4ヵ所、事業としては、そこでホームヘルパー、ケアマネジメント、デイサービスがあります。リーダー会議は事業部内ごとに毎月1回、中核になる人が集まっています。それまではセンター長会議ということで現場スタッフは入っていなかったのです。リーダーは現場を離れたらいけない、リーダーを会議に集められないだろうという先入観があったのですが、今はリーダーに出てもらい、リーダーが出られないときはサブリーダーに参加してもらう。そういうことをすると、サブリーダーの人も現場でしっかりしなくてはと意識するようになるし、会議にリーダーの代わりで出るとまた他のことを知ることができる。ですからリーダー会議の優先度は高くしています」(南野氏)

リーダー会議の場でも、さまざまな変化が生まれていると衣笠氏は言う。
「休憩時間に、みんな情報交換をしています。みんな自分なりに考えて努力をしていますから、互いの良いところを取り入れたり、他の施設との交流が活発になっています。これも『介護法人向けアメーバ経営コンサルティング』を導入してから見られる光景です。リーダー会議を積み重ねるにつれ、次第にみんなが、この人のやっていることはすごいと、他のリーダーや施設の活動を認める部分がかなり出てきましたね」(衣笠氏)

「『介護法人向けアメーバ経営コンサルティング』を導入すると、現場主義になります。第1段階は地ならし。第2段階は採算表をつける。2ヵ月前から予定表をつけるようになりました。予想以上にリーダーの人たちは賢く、これからも徐々に成果に現れてくると思います」(南野氏)

スタッフの距離が縮まる、リーダーがスタッフと管理部門のかけ橋に

衣笠氏が近鉄スマイルサプライの同職に就任して2年経過するが、就任当初は、マネジメント側と現場スタッフとの距離感を感じていたと振り返る。

「現場では私たちのような管理部門の人間が、たまにしか現場に来ないで何がわかるんだという相互不理解みたいな状態が続いていました。当然今も、忙しいと現場に足を運ぶ機会も少なくなってしまうのですが、『介護法人向けアメーバ経営コンサルティング』を導入後、同じ会社同士でつながっているという連帯感が増した気がします」(衣笠氏)
現場を預かっているリーダーから現場の声を管理部門に伝えてもらい、その人から逆に現場へ数字や会社の細かい状況を伝えていくことで、リーダーを中心につながってきている。

「これまでのような状況を変えたいと思っていたので、『介護法人向けアメーバ経営コンサルティング』の導入はジャストタイミングでした。アメーバ経営の考え方の理想にどこまで近づけるか。数字ではまだ合格点をもらえる状態ではありませんが、現場の一体感、現場と一緒に考えられるということ。経営は、現場の自分たちの活動が反映されるものだということがわかり、心あるリーダーのもとで全体を変える力になっています」(衣笠氏)
経営マネジメントと現場が一体となり、同じ数字を基準に活動の結果が見えるなど、良い面が多い一方、今後の課題も見えてきた。
「リーダー会議で、もう少し意思決定ができれば良いと思っています。また、近鉄スマイルサプライの"介護とは何か""経営とは何か"というものを、より具体的な形にまとめていく必要を感じています。これができれば、新たな事業展開も容易になると思っています」(衣笠氏)
主役は現場。「介護法人向けアメーバ経営コンサルティング」導入により、現場主義を再認識。目標は掲げてもそれにとらわれず、現場ごとに柔軟に取り入れる。職場を良くすることで結果的に売上も上がることをスタッフ一人ひとりが理解し、さらに良いサービスを提供するための創意工夫を続けている。

2010年02月05日

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