荻野工業株式会社アメーバ経営コンサルティング

日本を代表する製造業の雄としてグローバルに展開する荻野工業株式会社

経営の多角化・急拡大で生まれた新たな経営課題

1957年創業した荻野工業は、機械加工の町工場から出発し、自動車部品製造業を主とし、日本の高度成長とともに飛躍してきた。自動車用エンジン部品をはじめ、ミッション部品のほか、パソコン用ハードディスクドライブ(HDD)部品などの精密機械加工技術で、最先端技術を誇る企業だ。
創業50周年を経た今、従業員の数は450名を超え、フィリピンやベトナムに拠点を広げるなど、グローバルに展開している。
中でも、4つの歯車の歯数を変えることで、革新的に効率の良い高精度加減速機「OGINIC」を独自に開発。自動車業界のみならず、近年、成長著しいロボット業界にも広く応用が期待されている。また、得意分野を有する複数の事業者がその技術やノウハウを持ち寄り企業グループをつくる「新連携」をグループの中心企業としてスタート。この「新連携」は、経済産業省の認定プロジェクトにもなり、新事業の創出と新市場の拡大を目指している。
荻野工業株式会社 代表取締役社長の荻野 武男氏に「アメーバ経営コンサルティング」導入の経緯と、その効果を伺った。

萩野工業株式会社
代表取締役
萩野 武男 氏

アメ-バ経営のセミナーに参加、「アメーバ経営」が実現する可視化に共感

先代から引き継ぎ、荻野武男氏が二代目社長に就任したのは、1995年のこと。
「当時、主要取引先の影響もあり、業績不振で伸び悩む時期がありました」と荻野氏は言う。
その要因のひとつには、自動車部品の中でも、モデルチェンジが多く、他社との競争も激しいエンジン部品を扱っていたことがある。自慢の技術力を誇り、時代の変化に柔軟に対応し業界を牽引してきたものの、10年程前から経営の先行きに不安を感じるようになった。
そんなとき、経営者に誘われ、広島市内で開催されたセミナーに参加した。
「最初は、誘われるまま、どこへ連れて行かれるかもわからずに着いて行き、アメーバ経営のセミナーに参加しました。事前にその内容を知らされずに足を運んだものの、アメーバ経営の説明や既に導入している企業の成果を聞き、自分の考えに合っている仕組みだと思いました」(荻野氏)
まず、「時間当り」という共通の指標(ものさし)により数値化することで数字が透明化され、各部署の中身や実態が見えるようになること、そして、小さなグループを作り、自分と同じ考えを持つ人を一人でも多く育てるということ。自分と同じ経営者の感覚を身に付けた社員を育てるという意味で、人材育成にもつながり、仕事へのモチベーションにもつながると、「アメーバ経営」に共感した。
「この頃、経理上の数字は自分でも把握していましたが、その中身が具体的に見えていなかった。社内が見えていなかったので、問題点もわからず改善もできなかったのです」(荻野氏)
アメーバ経営を導入すれば、「会社の中身が見える」と判断し、1998年9月にアメーバ経営のコンサルティングを受けることを決めた。

「アメーバ経営」は、経営者だけでなく社員の意識改革と創意工夫を実現する

アメーバ経営の導入を決めたものの、不安はつきまとっていた。
「続けていけば、いずれは成果が出てくるであろうという予測はついたものの、果たして社員が、実行し、続けていくことができるのか...という不安がありました」(荻野氏)
実際に現場でも戸惑いはあったと振り返る。しかし、ラインリーダーの中に、当時18歳の女性がいた。
「彼女は、日々仕事の中でメモをとっていました。原材料の使用数や作業時間など、毎日少しずつ工夫し得た結果を細やかに数値で管理しました。その結果、作業効率が飛躍的に向上しました」(荻野氏)
その取り組みや変わっていく姿を見て、周囲の社員にも意識の変化が起きた。今では60人の部門経営者(アメ-バリ-ダ-)が存在する。

「アメーバ経営の良いところは、数字で見えること。オープンなので社内の誰でも見ることができる。インチキなし(笑)。作っている部品ごとにアメーバ組織を構成しているから、部品ごとの数字がすべて細かく見えるようになっています」(荻野氏)
細かな数字から、改善点を見い出すことができ、改善をしたその効果もまた数字で見えてくる。
「アメーバ経営導入前は、経理から報告される数字だけを見ていました。でも、何がどのように悪いのかがわからなかった」(荻野氏)
しかし、共通の指標で数値化し、透明化することで、会社の悪い点がわかり、経営における改善策がよくわかるようになった。
「アメーバ経営の導入で、原価計算まで現場レベルでできるようになりました。原価計算や管理を現場が行い、自部門の経営を改善していく。これを実行する人が、ひとりでもふたりでも増えたら、会社はより良くなるし、1年間続けて数字が変動していくことで、また大きな動きが出てきます」(荻野氏)

約10年の「アメーバ経営」自社運用を経てさらに、社員力を強化し永続的に発展するために

アメーバ経営の導入の際、具体的には、組織を見直し、日々現場の数字をまとめる経営管理部門をつくった。その上で、製造部門内での社内売買取引の導入、受益者負担の原則による部門別経費把握などを実践した。その成果は、取引先の増加、利益率がアップするなど、目に見える数字で現れた。
それだけではなく、社員の意識の変革は大きかった。

「経営判断の指針となる、経営理念をまとめた手帳「荻野工業行動指針」を、15名のプロジェクトメンバ-がコンサルタントの指導のもと、自分たちで考え、話し合い、作り上げました」(荻野氏)
「荻野工業行動指針」を活用し、経営理念を浸透することで、社員力を強化し、全社員がベクトルを合わせ、さらなる企業力の向上を目指す。
「今では、毎朝の朝礼での輪読のほか、すべての会議のスタートは手帳の輪読に始まり、手帳がコミュニケーションのきっかけになっています。面白いのは、輪読と同時に、その理念の紐ときを、自分の経験に合わせて話してもらっているんですが、1つのテーマで、10人いれば10人がその人なりの捉え方をすることです」(荻野氏)

経営理念をまとめた手帳
「荻野工業行動指針」

このように、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)のコンサルティングを受け、自社で10年近く運用したアメーバ経営は、仕組みの導入から経営理念の浸透へとステップアップしながら、企業経営の発展をサポートしている。
「ものづくりに携わる他の企業でも、何かを改善して良くなったということがたくさんあるかもしれない。けれど、経営にどう結びついたかどうかは明確にわからない。しかし、荻野工業の場合、採算にどう結びついたか、改善と結果がどう結びつくかという効果を、数字で誰にでもわかりやすく説明できます」(荻野氏)
さらに今年、アメーバ経営を運用するための統合基幹業務システム「The Amoeba」の導入を決めた。
「これまで、自社でエクセルベースのシステムをつくり、予定と実績を管理してきました。しかし、組織変更や予定と実績、マスタープランまでの関連性を見ていくにはエクセルでは限界があり、アメーバ経営の運用に適した情報システムがあるということで、導入を決めました」(荻野氏)
同社では、「The Amoeba」のほか、「中期経営ビジョン策定支援」「マスタープラン策定支援」「人事制度構築・運用支援」「社員研修」などのコンサルティングメニューにより、アメーバ経営の運用をサポートするKCCSの総合支援サービスを導入している。

成果を共有し責任は社長がとる、そのためにも現場の状況を正確に把握する

アメーバ経営を10年継続し、運用してきたからこそ見えてくるものがあると言う。
「荻野工業では戦略的に、あまり儲けの無い部品でも受注生産しており、数年かけてようやく時間当り1,000円を実現しました。改善を積み重ねた結果、今期は時間当り2,200円になり、今期末までには、採算ラインにのるまでに改善活動が行われています」(荻野氏)
時間当りという指標で日々把握することで、改善活動による変化がわかる。数値を比較し、改善が繰り返し実現されていくことが同社の強みになっている。
「アメーバ経営は、トップの方針で立てた数字だけでなく現場から積み上げてきた結果の数字と両方のせめぎ合い。トップはある程度、背伸びをして、達成できるだろうという数字を言う。現場は、そこへ近づこうとする。社員とともに、現実的な目標を掲げ、成長を共有していけるということ。
しかし、経営の責任はすべて自分(社長)にある。経営を伸ばすためには、悪くなる前に注意しなければいけない。だからこそ、現場の状況を正確な数字でリアルタイムに把握できることが重要なこと。そうした環境の変化に迅速に対応していくためにも、アメーバ経営がなければ、経営が成り立たない」(荻野氏)
アメーバ経営とともに、荻野社長の新たなチャレンジは続く。

2008年08月07日

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