公道を走る
自動走行ロボット

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は公道(車道)を走る自動走行ロボットを活用したモビリティサービスの開発に取り組んでいます。深刻化するラストワンマイル配送における人手不足の解消や、移動や買い物に困っている住民の支援など、地域課題・物流課題の解決に向け、地方自治体と協力して無人で走行する自動走行ロボットの実用化に向けた技術開発・サービスの検証を進めています。

誰もが安心・快適に住み続けられるまちづくりを支援

KCCSは、無人で走行する自動走行ロボットを活用し、必要なモノやサービスを必要とする人の元へ届けることで、子どもから高齢者まで、誰もが安心・快適に住み続けられるまちづくりを支援したいと考えています。走行中にCO2を排出しないバッテリー駆動の自動走行ロボットを利用するなど環境面にも配慮しながら、ロボットの実用化に向けて実証実験を行っています。

ロボットの紹介

01.自動配送ロボット

配送サービスや買い物支援に活用できる自動配送ロボット

KCCSは2021年8月に、国内で初めて無人自動配送ロボットによる車道での実証実験を行いました。
それまで国内で実施されている自動配送ロボットの公道走行実証では、主に小型・低速のロボット(歩道走行が可能な電動車いすに準じた大きさ、速さのロボット)による歩道での走行が主流でしたが、本実証実験では従来よりも大型・高速なロボットを使用しています。

概要

サイズ:ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じたサイズ
ロッカーサイズ・数:大・中・小 合計20個
最高時速:15km/h
動力:電気(バッテリー交換式)

※ロボットは無人での自動走行となりますが、走行状況は常時遠隔監視し、自動回避が困難な状況では近接または遠隔操作に切り替えて走行します。

さまざまなサイズのロッカーを設置

ロッカー大
(幅30.5×奥行45×高さ50cm)
ロッカー中
(幅30.5×奥行45×高さ18.5cm)
ロッカー小
(幅30.5×奥行45×高さ12.5cm)

地域にあわせたデザイン

北海道石狩市のデザイン
千葉県千葉市のデザイン

公道(車道)を走行する自動配送ロボットを用いた実証実験

自動配送ロボットの外観

02.移動販売ロボット

移動販売などに使用できる温冷蔵機能を備えたロボットです。商品積載部は保冷・保温の切り替えが可能です。電子マネーを活用した決済などに対応することが可能です。

概要

サイズ:ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じたサイズ
最高時速:15km/h
動力:電気(バッテリー交換式)

※ロボットは無人での自動走行となりますが、走行状況は常時遠隔監視し、自動回避が困難な状況では近接または遠隔操作に切り替えて走行します。

ロボットの左側面
ロボットの右側面
移動販売ロボットが公道(車道)を走行

移動販売ロボットを用いた実証実験

移動販売ロボットの外観

自動配送サービス

無人自動走行ロボット(自動配送ロボット)が宅配便や小売店商品、企業間輸送貨物などを指定の箇所へ配送するサービスです。

個人向け配送サービスを北海道石狩市で実証

北海道石狩市緑苑台東地区の一部エリアの公道(車道)にて、ヤマト運輸と協力し、自動配送ロボットを用いた個人向け配送サービスの実証実験を行いました。ヤマト運輸スタッフは実証実験のモニター登録者宛ての荷物をロボットのロッカーに格納し、ロボットはモニター登録者が事前に指定した受け渡し場所まで配送しました。モニター登録者はロボットのタッチパネルを操作し、ロッカーから荷物を引き取りました。

本実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月にKCCSが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環として実施しました。
(実施期間:2022年11月)

自動配送ロボットを活用した個人向け配送サービスの実証実験の様子

事業者間でロボットをシェアリングする配送サービスを北海道石狩市で実証

北海道石狩市の工業地域にて、地域内の事業者でシェアリングする自動配送ロボットが、小売店商品や企業間輸送貨物などを配送するサービスの実証実験を行いました。1台の自動配送ロボットが、地域内の小売店商品や企業間輸送貨物を集荷、効率的なルートを走行し、配送しました。また、ロボットへの荷物の預け入れ、荷物の受け取り、ロッカーの開閉などはスマートフォンで管理しました。

本実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」で採択された、北海道石狩市における「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」の取り組みとして実施しました。
(実施時期:2021年8月~9月)

自動走行ロボットを活用したシェアリング型配送サービスの実証実験の様子

実証実験のイメージ

CEATEC 2021 ONLINEで講演

トークセッション
「北海道石狩市での無人自動配送ロボットによる、ロボットシェアリング型配送サービスの実証実験」

ゲスト
早稲田大学 大学院 環境・エネルギー研究科 教授 小野田 弘士 氏
石狩市 企画経済部 企業連携推進課 課長 堂屋敷 誠 氏

スピーカー
京セラコミュニケ―ションシステム株式会社 経営企画部 副部長 吉田 洋
(役職名は2021年10月時点のものです)

画像をクリックするとKCCS Youtubeチャンネルに移動します

移動販売サービス

温冷蔵機能を備えた無人自動走行ロボット(移動販売ロボット)に商品を積み込み、公園やマンションなど地域内を周回して移動販売を行うことができます。

飲料や食品の無人移動販売サービスを千葉県千葉市で実証

千葉県千葉市の幕張新都心にて、温冷蔵機能を備えた移動販売ロボットが飲料や食品を運び、公園やマンションなどを周回して移動販売を行うサービスの実証実験を行いました。夏の暑い時期に冷たいドリンクやゼリーなど(イオンスタイル幕張ベイパークから提供)を公園、マンション、高齢者向け住宅などで販売しました。利用者はロボットに搭載されたタッチパネルで購入する商品を選択し、スマートフォンを使い電子マネー決済にて購入することができます。

近隣住民の方々を中心に、多くの方々にご利用いただきました。
利用者からは、「公園内で子供から目を離さずに買い物ができる」「小さい子供にとって、未来を体験できる貴重な取り組み」などの声をいただきました。

本実証実験は、先進的なモビリティサービスの活用を目指し、「幕張新都心モビリティコンソーシアム」を運営する千葉市の支援を受けて実施しました。
(実施時期:2022年7月~8月)

自動走行ロボットを活用した移動販売サービスの実証実験の様子

購入方法
サービス利用者は以下のように商品を購入できます。
  • ロボットに搭載されたタッチパネルを使い購入する商品と個数を選択
  • スマートフォンを使い電子マネーで決済
  • ロッカーが解錠
  • 購入した商品を取り出す

移動販売ロボットで商品を購入する様子

実証実験のイメージ

実証実験の様子

多くの方々にご利用いただきました

買い物支援サービス

自動走行ロボット(自動配送ロボット)が、店舗で購入した商品を住民の自宅へお届けするなど、重い商品やかさばる商品の持ち帰りを支援するサービスです。
複数の住民の購入商品を運ぶことができます。

店舗で購入した商品のお届けサービスを千葉県千葉市で実証

千葉県千葉市の幕張新都心にて、地域にお住まいの方々が店舗で購入した商品を、自宅マンションまで自動配送ロボットがお届けするサービスの実証実験を行いました。

1台のロボットが、イオンスタイル幕張ベイパークと近隣の2棟のマンションの間を巡回し、事前登録いただいたモニター参加者(マンション住人)は、イオンスタイル幕張ベイパークで購入した商品を店舗脇の停止場所でロボットに預け、自宅マンション近くの停止場所で荷物を受け取りました。利用目的としては、店舗で購入した重い荷物を運ぶためにご活用いただいた方が多くいらっしゃいました。

本実証実験は、千葉県千葉市が公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実証業務委託」の採択を受け、実施しました。
(実施時期:2022年3月)

自動走行ロボットを活用した商品のお届けサービスの実証実験の様子

実証実験のイメージ

今後の取り組み

KCCSは自動走行ロボットを活用し、ロボットの研究開発やサービスの実証実験を通じて、社会課題を解決することを目指しています。今後も地方自治体様や協力企業様と連携し、各地域のニーズや課題に即したサービスの実証を行い、自動走行ロボットの社会実装に向けて継続的に取り組んでまいります。