• ERP・経営管理

株式会社テクノ高槻組立製造業向けグローバルERP「Infor SyteLine」

グローバルERPの一括導入に成功
海外拠点の経営情報把握が、正確・迅速に

足立病院院長 内山真 様

アジアで豊富な導入実績を持つ京セラコミュニケーションシステムと連携し
グループ全体で業務効率化を実現、仕事の質も向上へ

足立病院院長 内山真 様

経営情報をリアルタイムで「見える化」する機能で、迅速な経営判断と効率化をサポート

導入前の課題

  1. 1旧基幹システムでは拠点ごとに営業・財務・在庫の情報が分散
  2. 2海外拠点の情報把握にタイムラグが生じ、経営判断が困難に
  3. 3二重処理やExcelベースの非効率な業務の存在
組立製造業向け
グローバルERP
Infor SyteLine

導入後の効果

  1. 1生産拠点へのERP一括導入により、データがシームレスに連携
  2. 2リアルタイムに情報を把握、迅速な判断を可能に
  3. 3属人的な業務を削減、トレーサビリティーと仕事の質が向上

導入したシステム/サービス

Gold Channel Partner

Infor SyteLine(インフォア サイトライン)は、業務の生産性と顧客サービスを改善し、生産活動全体を効率化するための基盤としてご利用いただけるグローバルERPパッケージです。主に組立製造業で必要となるベストプラクティスと業務フローがあらかじめ組み込まれており、また、多言語・多通貨・マルチサイト・マルチDBに対応しています。国内外を問わず短期間・低コストでの基幹システム導入が可能です。

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お客様インタビュー

管理部門 副統括 東 祥治 様

管理部門 副統括
東 祥治 様

管理本部 システムグループ マネージャー 神田 珠仁 様

管理本部 システムグループ
マネージャー
神田 珠仁 様

背景・課題

海外生産の拡大に伴い、経営情報のタイムリーな把握が緊急の課題に

電磁式エアーポンプ(ブロワ)を1967年に世界で初めて商品化し、世界70カ国以上で浄化槽向けブロワの販売実績をもつ株式会社テクノ高槻様。環境分野のみならず医療・介護、生活、その他の幅広い分野に事業を拡大。エアーテクノロジーを生かしたさまざまな製品の技術開発と製造を展開されています。
同社では、2006年にフィリピン、2015年にベトナムに拠点を立ち上げるなど、海外生産の体制を急速に拡大してきました。しかし、グローバルに事業を推進するなかで経営管理上の課題を抱えていたといいます。そのひとつが、在庫情報や納期回答の状況といった生産現場の情報を正しく把握することでした。

主要製品例

海外拠点の営業・財務・在庫といった経営情報を正確に把握するまでにタイムラグが生じ、正確・迅速な経営判断が困難だったことが大きな課題であったと、システム導入時の担当責任者だった東 祥治氏(管理部門副統括)は話します。

東「設計段階で見積もった工数や材料費は実際の製造過程で変化していきます。従来のシステムでは、このような数字の誤差が後にシステムとは別に現場から上がってくるという問題がありました。製造過程で生じる変化を“見える化”し、日本側からもリアルタイムで把握できる仕組みを導入しなくてはならないと考えました」

BEFORE 以前は生産拠点ごとにシステムが独立 生産現場から製造過程で生じる変更点は、メール等で報告を受けるため、情報の整合や確認に時間がかかることも

また、旧基幹システムは統合型ではなかったため、営業・財務・在庫などの情報が日本、フィリピン、ベトナムの拠点ごとに分散しており、現場の情報連携がスムーズではなく二重処理やExcelベースの情報管理など非効率な業務が多く存在していたといいます。

お客様から納期の問い合わせが来たときに、日本のシステムだけでは即答できない場合も多くあったと、導入後および現在の運営責任者である神田 珠仁氏(管理本部システムグループ マネージャー)は振り返ります。

神田「各拠点のシステムがつながっていなかったので、日本の営業が日本の製造担当に聞いて、日本の製造担当が海外の製造拠点の担当に聞いて、さらに各セクションの担当に確認して、と多くの人が介在し、その分納期回答に時間がかかるというのが以前の状況でした」

東「旧基幹システムの稼働から約10年が経過し、当社を取り巻く環境や事業内容も大きく変化していました。旧システムでは対応しきれない業務も多く発生し、グループ全体の情報を迅速に得ることが難しい状況でした。また、海外事業が経営の核に移行したため、連結で数字を把握するニーズもあって基幹システム自体をグローバル対応の統合型システムにリプレースする必要がありました」

経営情報の把握と効率化を目指し、グローバルERPを海外拠点に一括導入

同社は新たな統合型の基幹システムであるERPの導入検討を開始し、海外におけるシステム導入の豊富な実績とノウハウをもつ京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)の提案を採用しました。そしてグローバルERPパッケージ「Infor SyteLine」一括導入のための全社プロジェクトを2019年1月に開始し、共同で導入を推進。新型コロナウイルス蔓延による中断期間を経て2021年9月にベトナムとフィリピン、日本の生産拠点で一斉に新システムの本格稼働を開始しました。

HIBLOW PHILIPPINES INC. HIBLOW PHILIPPINES INC.

導入効果とメリット

導入は、従来の仕事を見直し、標準化することから始まった

神田「新システムの導入にあたってKCCSさんの協力のもと、職務、ワークフロー、管理機構、情報システムなど業務の洗い出しをまず行い、並行して、システム導入の目標を設定しました。こうして目指すべきゴールを定め、パッケージソフトの標準モジュールを基準に、業務の簡素化とシステムに合わせた標準化を進めました。当社ならではのカスタマイズが必要な点を最小限にしたことが、結果的にはスムーズな導入につながったと感じています」

グループ統合型の新システムを構築。経営情報をリアルタイムで確認可能に

東「導入された新システムの中で実際の数字をいつでも見られるようになったこと。これが大きな変化ですね。以前のような数字の誤差やタイムラグもなくなり、海外拠点の情報をリアルタイムで把握できます。数字の即時性と信頼性が向上し、迅速な経営判断が可能になりましたね」

神田「現在は一元的に情報がつながりましたので、納期回答にかかる工数も大幅に削減できるようになりました。以前のように人を介して問い合わせることなく、営業と製造の担当がシステム上で同じデータを見ながら納期の確認ができるようになりました」

AFTER 新システムの導入により、生産拠点の情報が一元的につながり、リアルタイムでの確認ができるようになり、予算・工数の正確で効率的な判断が可能に

トレーサビリティーが向上。属人的な業務がシステム化され、本来やるべき業務が明確に

神田「新システム導入後に、フィリピンの製造現場の実務スタッフに聞くと、異口同音に生産ラインのトレースがすごくしやすくなった、情報確認が早く容易になったという声が返ってきます。トレーサビリティーが向上すると、関係者間の情報共有も早く、万一の事態が起きた際にも迅速に対策できて安心です」

東「製造の現場では、さまざまな問題が起こります。以前であれば、問題が起きると全員が仕事の手を止めてその原因究明にかかりきりになったものですが、今は、システムの中の数字を見に行けばたちどころに原因がわかるので、余計な労力を費やすことがなくなりました。効率化という狙いで進めたシステム導入でしたが、非効率な業務が減ったことで本来やるべき仕事の質を上げることにつながっていると思いますね」

グループ統合型の新システムで生産ラインの迅速なトレースが可能に

コロナ禍でも発揮された、KCCSの豊富な海外経験に基づくプロジェクト推進力

神田「新型コロナウイルスの影響により導入プロジェクトの一時中断を余儀なくされましたが、再開後も予想以上にスムーズに導入が進みました。これもKCCSの海外でのノウハウと、コンサルタントレベルの力強いリードがあったからだと感謝しています。例えば再開にあたって海外工場でシステムの操作方法をあらためて現場の一人ひとりに説明し直す必要がありましたが、海外に行けずリモート対応せざるを得ない私たちの代わりに、ベトナムでは、現地のKCCSパートナー企業にマニュアル作成の支援をいただき、英語が苦手なメンバーにもベトナム語で対応してもらいました。ベトナムは当時、ロックダウンなどもあってとくに厳しい状況にありましたので大変心強く思いました」

東「KCCSの海外経験豊富なコンサルメンバーがリモート環境を上手く使って、通訳を介さずに直接現地メンバーのニーズを聞きながらきめ細かく対応してくれたのは心強かったですね。海外拠点と日本では言葉の問題もあれば文化や商習慣の違いもありますが、そうした細かなことや製造現場のことをKCCSさんが肌感覚で理解してくださっていたのも大きかったと思います。また、小さなシステム運用上の不具合が見つかり、KCCSさんから”これはいったん止めましょう”と提案され本稼働を延期したこともありました。これは、我々の課題を自分事として捉えてくれている証しだと思いますし、いずれは我々が独力でシステムを運用していかなくてはいけないわけで、あえて厳しいこともいろいろと言っていただきました(笑)」

神田「数々の壁をKCCSさんと一緒に乗り越えることができ、本社側と海外拠点のシステム同時立ち上げができたと感謝しています」

再開後もオンライン環境を活用し、スピーディーかつ確実な導入を実現(ベトナムの例)

今後の展望

海外販社にもシステム導入を進め、新たなビジネスチャレンジへ

生産拠点に導入した統合型のシステムを、販売拠点にも拡大し、よりグローバルなデータ連携体制へ(イメージ)

東「米国や欧州、豪州、中国などの販売拠点にもシステムを導入することが次の課題です。これらのシステムを一本化して日本と海外の販売会社との間でのデータの連携を図ることはグループ会計や需要予測などの点でも大きな価値があります」

神田「各国のデータがシームレスに連携できれば、生産や納期の情報が明確に把握でき、トレースもしっかりできますので、工場側の生産性をさらに高められると期待しています。将来的にはMESなどを活用してスマートファクトリーのような仕組みづくりにもチャレンジしたいですね」

東「水処理関係の製品や技術は先進国だけでなく、これから世界各国で需要が高まっていきます。当社の海外事業のさらなる強化に向けて新しいシステムはますます不可欠なものになっていくでしょう」

  • Manufacturing Execution System(製造実行システム)
左から 神田珠仁様、東 祥治様(以上 テクノ高槻)、洪 錫柱、竹田孝行(以上 京セラコミュニケーションシステム)

左から 神田珠仁様、東 祥治様(以上 テクノ高槻)、洪 錫柱、竹田孝行(以上 京セラコミュニケーションシステム)

株式会社 テクノ高槻のロゴ

本社:大阪府高槻市
生産拠点:日野(滋賀県)/フィリピン/ベトナム
海外販売拠点:USA/フランス/スペイン ほか
主要事業:電動機製造・エアーポンプ製造販売
URL:https://www.takatsuki.co.jp/

1947年の創業以来モーターの巻線技術を基礎に、空気を扱う技術で社会に貢献する「ニューマティックソリューション」に力を注ぎ、さまざまな製品の技術開発と製造販売に取り組まれています。

  • 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • サービス内容は予告なく変更する場合があります。
  • 掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。

掲載日:2023年1月17日 取材日:2022年9月15日