2014年11月26日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
船戸 美嘉

経理部門は制度会計を正確に処理することが求められます。しかし、そのことばかりに気をとられると、会計基準に準拠した正確な処理を追求するが為に膨大な時間をかけてしまいがちです。それでは正しい数字が並んだ決算書を作成することができても、経営者や利害関係者をはじめ、部門にその情報がフィードバックされる頃には、会社の実態とはかけ離れた情報になってしまうかもしれません。その様な決算書では、厳しい言い方をすれば経理の自己満足の資料にしかなりません。

アメーバ経営で一番大切にしていることは、部門の動きが反映するように、モノやお金の動きと伝票を一対一に対応させ、それを会社の動きと連動させ、タイムリーに部門へフィードバックする日々採算の実践です。

スポーツの世界で、タイムを競い合う水泳や陸上などのトップアスリートが常に新記録に挑戦できるのは、ゴールと同時に自分のタイムを映し出す掲示板があるからで、自分の今のパフォーマンスの結果がどうだったのか、良いタイムであれば今の手ごたえを、悪いタイムであればどこが問題で何を改善するか、を瞬時に確認し次へつなげることができるからです。

経理部門の使命は、正確かつタイムリーに作成された美しい決算書を作ることです。その「美しさ」とは、経理担当者が時間をかけてじっくりと作るものではなく、現場が日々採算の意識で業務に取り組み、毎日を積み上げた数字(採算表)を見て、実績の進捗を追いかけ、汗や苦労や頑張りが浮き彫りになっている時間当り採算表と有機的に連携した決算書のことを言います。経理担当者はパソコンの前で伝票やデータだけを追いかけるだけでなく、毎日現場に足を運び、今会社で何が起きているのか、その実態を数字に反映させることが大切です。

アメーバ経営では、現場の日々の活動が採算表に正しく反映されています。ですから経理で作る月次決算書は採算表と一致するように作ります。その結果、経営者も現場も採算表の数字を信頼し、会社経営や部門経営を正しく行うことができるのです。

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