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鹿児島市立天文館図書館AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」

書籍の管理や貸出を大きく変えた図書館DX
AIを活用した先端技術で新たな図書館体験を

鹿児島市立天文館図書館

AIによる書籍の識別で、蔵書点検や書架整理にかかる時間を短縮
セルフ貸出サービスも実現し、利用者に好評

鹿児島市立天文館図書館

限られた時間内に、業務を遂行させる課題をクリア

導入前の課題

  1. 1商業ビルの中にある図書館のため休館日がない。業務の効率化が必要
  2. 2新たな利用者サービスを提供したい
  3. 3ICタグの導入を検討したい
AI蔵書点検
サポートサービス
「SHELF EYE」

導入後の効果

  1. 1背表紙を撮るだけで、蔵書点検や書架整理の作業を軽減
  2. 2利用者を待たせないセルフ貸出サービスを実現
  3. 3ICタグと同等の効果を有する「SHELF EYE」にて蔵書管理を実現

導入したシステム/サービス

「SHELF EYE」

タブレット端末で撮影した書籍の背表紙画像を、AIで解析して蔵書管理に利用する業界初のシステムで、蔵書点検や書架整理の効率化を支援します。ICタグを利用した効率化と比べ、導入コストも抑えられます。この機能を活用したセルフ貸出機の運用も可能で、業務効率化と利用者満足度の向上につながります。

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お客様インタビュー

副館長 有満 弓恵様

鹿児島市立図書館 副館長
小城 裕子様

主査 中村 圭志 様

主査
中村 圭志様

背景・課題

限られた時間内での蔵書点検、書架整理

天文館図書館は、複合商業ビルの中に開館した施設です。休館日を設けていないため、職員が滞在して作業できる時間は限られています。蔵書点検や書架整理なども日々の業務と並行して実施しなければなりません。そのため、他の業務も含め、図書館運営における業務の効率化が求められました。書籍を管理する手段として当初はICタグの導入を検討していましたが、ICタグだとコスト面の課題もありました。

導入効果とメリット

「SHELF EYE」を用いた蔵書点検の全体イメージ
「SHELF EYE」を用いた蔵書点検の全体イメージ

「SHELF EYE」を用いた蔵書点検の全体イメージ

書籍の管理作業を大幅に軽減

「SHELF EYE」の導入により、書籍の管理作業の効率化が実現できました。それを可能にしてくれたのが、背表紙で書籍を識別できる「SHELF EYE」独自の機能です。タブレットで書架を撮影するだけで背表紙画像をAIが解析し、複数の書籍を一括で特定、棚違いの書籍があればタブレット上で表示されるため、書架整理の作業がスムーズになりました。

また、全書架を撮影すれば所蔵している書籍の所在確認ができるので、蔵書点検も簡単にできます。一般的な蔵書点検では、職員総出で1冊ずつバーコードスキャンするため長時間作業になりがちです。肉体的な疲労と、それによる人為的なミスを引き起こす心配も「SHELF EYE」ならありません。実際に約3万冊の書籍に対して蔵書点検を行ったところ、バーコードスキャンと比較し、作業時間は3割削減されました。

本棚をタブレットで撮影する様子

背表紙がない書籍にはバーコードで対応可能に

一つだけ気になっていたのが、背表紙のない書籍もあることでした。これらの書籍には貼付されているバーコードをスキャンする方法と併用しています。これについても、京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)から柔軟な提案と対応をいただき感謝しております。

職員と利用者、双方にうれしいセルフ貸出も実現

背表紙の識別機能が、新しい利用者サービスの提供も実現しました。それがセルフ貸出機です。利用者が借りたい書籍を機器の前に置くだけで「SHELF EYE」が背表紙を読み取ります。短時間で貸出処理され、スムーズに借りることができるため、「便利になった」「待ち時間が減った」と、利用者にも好評です。

また、カウンターでの貸出業務を軽減できたと思います。これにより書籍の登録作業や書架整理、レファレンス業務などに時間を割けるようになりました。利用者が非接触で貸し出しできるのもメリットです。

カウンターで利用者が自らセルフ貸出作業を行う様子

今後の展望

さらに多様な業務の効率化に期待

新しい図書館のスタイルとして、新たな技術や試みを積極的に取り入れ、「みんなをつなぐ図書館」を地域の皆様と一緒に発展させていきたいと考えております。今後、予約本の管理や自動巡回ロボットを活用した背表紙撮影の自動化、仮想拡張現実やスマートグラスでのシステム使用など、図書館業務の効率化に向けたKCCSの取り組みに期待しています。

鹿児島市立天文館図書館のロゴ

所在地:鹿児島県鹿児島市
蔵書冊数:約4万冊(2022年4月時点)
URL:http://lib.kagoshima-city.jp/tenmonkan/

市内最大の繁華街・天文館地区に2022年4月オープン。街中に開館することで利便性の向上を図るだけでなく、市民に集いの場を提供して新たな「憩い、学び」が生まれることも目的とされています。

  • 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • 製品の仕様、サービス内容は予告なく変更する場合があります。
  • 掲載されている情報は、取材日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。

掲載日:2023年1月16日 取材日2022年12月15日