導入事例

無線ブロードバンド 導入事例

無線ブロードバンド

静岡県榛原郡川根本町

川根本町が光ファイバと無線により町内全域を高速ブロードバンド化
ICTの利活用で「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を推進

1.誇りと自信の持てる町づくりに向け情報基盤を整備

川根本町は大井川の上流に沿って東西約23km、南北約40kmの細長い形で広がり、南アルプスの麓に湧く寸又峡温泉や接岨峡温泉、昔懐かしいSLが走る大井川鐵道、名茶「川根茶」などで知られる。町域の約90%を森林が占め、2014年6月に川根本町全域を含む南アルプスエリアがユネスコエコパークに登録されたほか、2015年10月にはNPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟している。

川根本町の風景

川根本町 鈴木町長

「川根本町は2005年に本川根町と中川根町が合併して誕生、昨年10周年を迎えました。住民の絆を深め、誇りと自信の持てる町づくりを進めています。人口の減少と高齢化が進む中、Uターン就職の促進や、医療・教育・防災などさまざまな施策を検討していますが、いずれにしても情報基盤の整備なしには始まらないと考えていたのです」と川根本町の鈴木 敏夫町長は話す。

総務省の調べによると2013年時点で、超高速ブロードバンドの未普及率は全国で0.6%とされており、中山間地域という地理的な条件から川根本町はこれに該当していた。

川根本町 山田氏

「川根本町の本庁舎はADSLを利用していましたが、通信速度は数Mbps程度でした。広報紙の印刷データを印刷会社に送信するにしても数時間かかっていました」と川根本町 情報政策課 課長の山田 貴之氏は打ち明ける。また、町の重要な観光資源である寸又峡温泉や接岨峡温泉では通信回線は64kbpsのISDNしか利用できず、「宿泊予約は主に電話で行っており、インターネット予約が一般化する中で大きな機会損失になっていました」と鈴木町長は話す。



2.高速ブロードバンドと防災情報ネットワークを同時に整備

川根本町では、構築・運用コストを抑え町内全域に高速ブロードバンド環境を整備すること、更新を迎える防災無線に代わる新たなネットワークを導入することなどを要件に事業者を募集。KCCSは光ファイバと無線を組み合わせたハイブリッド型の基幹ネットワークの構築を行った。

KCCS 村上

ハイブリッド型の基幹ネットワークについて、KCCS 社会システム営業本部 社会システム営業統括部 社会インフラ営業部 副部長の村上 彰利は「大井川を挟んで山間部にも町域が広がっています。町内全域を光ファイバで結ぶとなるとケーブルの敷設にコストがかかり、山間部では台風などによる倒木でケーブルが断線するといった事態も想定されるため、光ファイバと無線の組み合わせは有効だと思います」と話す。この無線ネットワークは、老朽化していた防災無線の代替となることからインフラ構築コストの削減につながった。

また川根本町では情報基盤の整備に合わせ、各家庭に設置していた同報無線受信機に代わる受話器付きタッチパネル型の告知端末「かわねフォン」を導入。「『かわねフォン』は、災害発生時などの緊急通報のみならず、通常時にも行政情報の伝達などで利用することができます。“普段使い”としては住民のコミュニケーションの活性化に、“イザ”というときは災害対策インフラとして活用することを計画しました」と山田課長は話す。

そして2015年12月、総延長距離約120kmの光ファイバと101カ所の無線基地局、町内のほぼ全世帯(2,740世帯)に配布されたIP告知システム「かわねフォン」で構成される川根本町の情報基盤が完成した。

KCCSでは地域に密着した迅速な対応と高品質な運用サービスの提供に向け、東海ブロードバンドサービス株式会社(TBBS)を設立。TBBSではインターネット接続サービスの提供や、町の委託により「かわねフォン」の運営を担当している。

概念図

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